※これ以前の内容を見ていない方は、先にそちらを読むことをお勧めします。
クライマックスフェイズ 究極の実験体vs究極の殲滅者
時は満ちた。目標は集結、全て射程範囲内。自身のコンディションは万全。サポート、バックアップ有り。オールクリア。
見せてやろう、これが“スターダストロイス”だ。
GM:クライマックスです。ですが、お前等どうすんの? 場所移動するの? このままだと支部に来るぜ?
克也:俺は移動した方が良いと言いますが。
支部長:どこに行くの?
克也:あの、廃ビルがある区画があるはずなのでそっちに。
支部長:廃ビルかー。公園とかもっと広い場所の方が廃ビルより良いのでは?
克也:廃ビルだと壊しても問題ないですが、公園だと公共機関ですからねー。修理代請求される。
支部長:マジっすかー。じゃあ廃ビルまでドライブする。
GM:じゃあ廃ビルまで行きますか? 取り敢えずシーンインしてくれ。出なくても良いが。
克也:4だな。
支部長:6。94だな。
博:うわぁ、10。帰って来れるんかなこれ。
GM:アガサはしっかり情報を掴んでいたようで、廃ビルの方にやってきますね。「おや、こんなところに来ていたのですか。支部で待っていればちゃんとそちらに行ったものを」
克也:支部が壊れたら困るんですよ、これからの活動のために。
支部長:修理費がね、困るんだよ全く。
博:全額出してくれるなら良いんだけどさー。
GM:「いやいやいや、そんなことを心配する必要は無いですよ。キミ達は私の実験データになってそのまま終わるんですからね」
克也:ん? こいつは何を言っているんだ?
GM:「キミ達のデータを貰って、さっさと潰してしまいましょうか」ということで、アガサの足元からやばそうなのが湧き出してきます。“実験体No.00”ですね。
血走る眼、異様に膨張した肉体、滴る液体。それは、アガサの狂気を詰め込んだ産物。地面から湧き出すかのように現れたそれは、UGNの面々に対して明らかな敵意を剥いている。
克也:雑魚の肉塊はねぇの?
GM:もっと雑魚そうなのが3体ほどいますね。
克也:良いよ、カバーリングもできないような雑魚は意味無い。
GM:更に、“実験体No.00”の横に、女性型のジャームが1体。
支部長:こいつを説得すればいいんだな。
GM:更に更に、アガサの後方の方に、銃を6丁ほど持ったジャームが出てきます。
克也:“一斉掃射”の失敗作か。
GM:「こいつは失敗作の中ではそこそこ出来が良い方でね、こいつとも戦ってもらおうか」
支部長:そういえば、キミの失敗作の死体が支部前に置いてあって臭いんだがどうにかしてくれないかな。
GM:知らないよ(笑)。
克也:後でこっちの方で処理しとくよ。
GM:ま、こいつらが出てきたので悍ましい空気が広がり、衝動判定……ですが、Eロイス“衝動侵蝕”です。
克也:あ? “衝動侵蝕”?
GM:まぁ普通に判定して良いよ。目標値は〈意志〉で9。
克也&支部長:成功。
博:あかん、失敗や。
GM:一人失敗か。侵蝕率は2D上げてもらいます。んで、吉塚は失敗してるので変異暴走:憎悪になります。ダメージを受けると対象に向かって憎悪を受けます。
博:うわぁ。先手取らないといかんな。
克也:その前に〈交渉〉判定の説明は? 必要なら《インスピレーション》使うが。
GM:大丈夫。〈交渉〉はセットアップにやってもらいます。
克也:セットアップか。
GM:目標値は三人合計で50です。ただ、お前らに力があるというのを見せてくれれば目標値が下がります。具体的には[“実験体No.00”に与えたダメージ÷10]分だけ下がります。
克也:……死ぬんじゃねぇの? 最初の一撃で。
GM:ちょっとね、支部長がね……。ぶっちゃけ支部長の火力の所為で、このギミック要らないんじゃないかって思ってるんだよね(笑)。
克也:女のジャーム溶けるぞ?
GM:マジで支部長がやばすぎるんだって!(笑) ま、まぁ始めますよ。
◆第一ラウンド
【行動値】
支部長 ……24
周防克也 ……23
吉塚博 ……23
実験体No.13 ……23
実験体No.08 ……13
融合体×3 ……6
実験体No.00 ……4
GM:敵の位置は、お前等の10m先に“実験体No.00”で、そのすぐ傍に恋人。で、その更に10m後方に“一斉掃射”の失敗作、アガサは遠方で傍観してる感じです。
克也:良いよ別に、距離なんて関係無いから。セットアップ、《戦術》《ファンアウト》。ダイスを6個増やしつつ散開させます。
博:《ヒュドラの怒り》使っとこう。
GM:こちらセットアップ《装甲強化》。ラウンド中装甲値+10。
博:何だ装甲値か。
克也:すいません【行動値】はお幾ら?
GM:【行動値】は“実験体No.00”は4だね。
克也:じゃあイニシアチブに《加速する刻》入ってもこちらが先だな。《嗜虐の弁術》。攻撃力-18。【行動値】-5。
GM:まぁ良いでしょう。範囲?
克也:範囲だよ。同一エンゲージ全部。“実験体No.00”に掛けるから、彼女の方にもかかるぜ?
GM:了解。ではイニシアチブ、オートアクションで《ウェポンマウント》により取得した滅びの刃を装備します。ちなみに《ウェポンマウント》は“ありえざる存在”で取得して“超越活性”でレベル9まで上げてます。更に《加速する刻》を使用。で、マイナーで《堕落の爪》。エグザイルのエネミー専用エフェクトだな。
克也:はいはい、侵蝕率上げるやつだろ?
GM:イエス。メジャーで《伸縮腕》《異形の祭典》《爪剣》《死神の爪》《原初の灰・デボラスフレア》。
克也:《デボラスフレア》……ダメージ軽減不可だと? 《波紋の方陣》使えねー!
GM:リアクション不可、ダメージ軽減不可。ちなみに今回《コンセントレイト》は合わせません。
克也:コンセ無しなら避けれるかもしれない?
GM:リアクション不可だっての。達成値25。ダメージは18軽減だっけ? 34点。
支部長:死んだわ。
GM:では皆さん、侵蝕率を10上げて貰えますか。
克也:アホか。
博:はぁ!? 143だわ。
支部長:むう。あ、霧谷のロイス切って復活します(一同笑)。
博:アガサのロイス切ります。
克也:同じく、アガサで。
GM:ここでオートアクション、《喰らわれし贄》を発動。攻撃力+15。で、ここは終了ですね。次は支部長っすね。あぁ嫌だー、嫌だー!
支部長:“スターダストロイス”行きます。ロイスはアガサ殺す以外全部切る。4つかな。アガサを殺すために他をすべて捨てる覚悟で。全部C値下げるやつで。
克也:Dロイス“指導者”の効果で更にC値を1下げます。
GM:やべぇ、2じゃねーかよ!? きちゃったよーもう、やだよー……。
支部長:フルコンボっすね。マイナーで《主の恩恵》、メジャーは《スターダストレイン》《ピンポイントレーザー》《マスビジョン》《光の指先》《光の弓》《光の手》に、《破滅の天使》。カバーリング不可ね。
GM:マジでカバーリング不可やめろ(笑)。何とかなるかなー、どうかなー。
支部長:侵蝕23上がって138になるわ。これでダイスは27個。
克也:俺の支援で《援護の風》《支援射撃》に“指導者”《戦術》も合わせて26個ダイス増加。
GM:はぁ!?
支部長:ダイス53個ー?〈RC〉は《ウィンドブレス》も入れて19か。
GM:(笑うしかない)
支部長:攻撃力固定値は45かな。
GM:本当アホじゃねーの……。
克也:じゃあ、覚悟は良いか?
GM:お、おう。
全てを捨てる覚悟で放たれた、支部長の“スターダストロイス”。加えて周防克也の支援も入り、最早戦略兵器とも言うべき光の嵐が吹き荒れた。
支部長:達成値は……610!!(一同爆笑)
GM:バカじゃねーの!? い、一応悪あがきをさせて? HPが半減してから使おうと思ってた《原初の紫・魔人の盾》を使います。ガード値+60。《歪の身体》も使って計76。あと《異形の捕食者》でダメージ8D軽減。
克也:はぁ。
GM:8Dでどれくらい軽減できるか……48点軽減。と言う訳で124点軽減。更にシーン中攻撃力48点上昇。
克也:124点軽減、バカかこいつは。
GM:こんななるとは思ってなかったんだよ!
克也:何で? 支部長呼んだんだからこうなることは覚悟しとけよ。
GM:お、おう……。
支部長:ダメージ出すぞー。(延々とダイスを振る)えっと、ダメージ339に+45。
GM:384点!?
克也:装甲無視シーン攻撃カバーリング不可。
GM:124軽減で260点。耐えますね普通に。
克也:他のは?
GM:……消滅っすよ(一同笑)。
支部長:良い仕事したー!
克也:あれ、彼女は?
GM:だってカバーリングできないんだろー……。
克也:彼女消えちゃったから交渉無いね。
支部長:あー、残念だなー。
博:残ってても26目標値下がって24だろ?
克也:24なら俺一人で行けるぜ。
GM:まぁ交渉相手消えちゃったんだけどな。
支部長:しかしいい仕事したなー。ナイスアシストだったよ周防君。
克也:見たかアガサ。これがうちの支部長の真の力だ。
GM:「素晴らしい、素晴らしいじゃないか!」とアガサは言ってますね。
克也:さて、次俺だけど支援しようか?
GM:こいつ結構残ってるんだよな。カバーリング前提で削れるのを考えてたから。
克也:残り200ってとこか? まぁこちら散ったからシーン攻撃を持っていない限り問題無いんだよね。じゃあ行くよー。《アドヴァイス》《弱点看破》で、吉塚の攻撃力+15、ダイス+7、C値-1。
博:では行きましょうか! まず《ハンドレッドガンズ》。で《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》《うごめく弾丸》。オートで《オリジナルツール》《パーフェクトコントロール》《魔弾の悪魔》。侵蝕率28増加で171。達成値固定値は46で、ダイスは27個。達成値が……98!
克也:やっぱミドルの時は出目が良かったね。
博:攻撃力は《ヒュドラの怒り》のレベル上がってるから、ダメージは99点! 装甲無視!
GM:むう、ガードして16点軽減。83ダメージか。
克也:ガード値高いな。
GM:んで重圧か。オートアクション使えないじゃん(笑)。
克也:残り幾らだろうなぁ。
GM:まだ割としっかり立ってるね。
克也:支部長の“スターダストロイス”を食らってまだ余裕があるだと……。こうなったら支部長には次ラウンドにも働いてもらわないと。
GM:じゃあこちらいくぞ。で、ばらけてるんだよなお前等?
克也:そうだよ?
GM:(小声で)こいつシーン無いんだよな。
克也:《異形の祭典》もう使ってたもんな。
GM:《アナザーセルフ》も無いんだよなぁ。
克也:《アナザーセルフ》はオートじゃね?
GM:……チッ(一同笑)。じゃあいきまーす。メジャーアクション《伸縮腕》《コンセントレイト:エグザイル》《爪剣》《オールレンジ》《暴食の神蛇》《原初の赤・マルチターゲット》《混色の氾濫》。一応範囲化はしてる。
克也:全員エンゲージ別っす。あと《嗜虐の弁術》での攻撃マイナスが21になっております。
GM:うん。ダイス23個、技能固定値20、攻撃力固定値78。エフェクトによる装甲無視。対象は……すまん、吉塚。
博:これ帰ってこれないわ(笑)。
GM:達成値は56。ダメージは……うわぁ、106。
克也:7Dくらいダメージ軽減できるが、これじゃ意味ないね。
GM:ジャームの巨大な爪でぐしゃあ、ですよ。
克也:吉塚が死んだらやばいのでロイス切って復活してください。俺次のターン吉塚のエンゲージに移動するわ。
博:支部長切りますよね。復活します。支部長の脅威を見て認識を改めたということで。
◆第二ラウンド
【行動値】
支部長 ……24
周防克也 ……23
吉塚博 ……23
実験体No.00 ……4
GM:では次のラウンド。セットアップどうぞ。アガサは何もしない、見てるだけ。
克也:《戦術》は重いし、もう良いだろう。
博:どうするかなー。うん、使おう。《ヒュドラの怒り》も。
GM:お前侵蝕率大丈夫かこれ!?
博:今175。
GM:こちらは、ほぼ意味は無いんだが《装甲強化》で。ではどうぞ。
克也:では支部長。相手は《装甲強化》をしておりますので、《ピンポイントレーザー》は必須です。
支部長:俺《光の裁き》使いたい。
GM:相手単体だし、良いと思うよ。
支部長:使うか! 《光の弓》《光の裁き》《ピンポイントレーザー》《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《光の指先》《光の手》《マスビジョン》、かな。
克也:リアクション不可だっけ? ドッジができないだけか。
GM:じゃあ特に支障はないな。
支部長:ダイスは24個かな。達成値は……うーん28。
克也:さっき力を使い尽くしましたかね(笑)。余りにもアレなんで私が《勝利の女神》を使って達成値21追加で49、ダメージダイス5個どうぞ。
支部長:ダメージは、しょぼい。71点装甲無視。
GM:ガードして、耐えてはいるな一応。
克也:うーん、前ラウンドに《風の渡し手》入れて支部長にも支援しとくべきだったか。俺マイナーで移動して、主動作放棄でカバーリングできるようにしとく。
GM:では、吉塚さん。頑張ってください。
博:どれくらい出せばいいの?
GM:残りHP言ってしまおうか。40だ。
克也:支援要らんな。自信が無いなら言え。
博:楽勝やね。侵蝕率はもう考えない(笑)。
克也:支部長、次のシナリオボスはあいつみたいです。
支部長:なんとしても俺達は生きて帰らねばな。
博:まぁ《ハンドレッドガンズ》使わなくて良いだけ楽だ。えっと、《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》。オートで《魔弾の悪魔》。
克也:《魔弾の悪魔》重いだろ? 俺が支援入れる、《援護の風》《ウィンドブレス》。
博:分かった。頼む。これでダイス24個、C値7、技能固定値27だな。
克也:おおよそ行っただろ。
博:達成値は、102だね。
GM:ガード、ガード!
博:ダメージは……103!
GM:ん!? マジっすか……吹き飛ぶしかないじゃないですか。“実験体No.00”は、“撃墜王”の一撃で風穴を空けられたか。
克也:この間20秒。
GM:支部長が全面的にあかん。で、それを見たアガサが狂ったように叫びますね。「うわあああああああ、儂の、儂の作品があああ!!」
克也:死ぬの分かってたろ、“スターダストロイス”を耐えただけ褒めてやれよ。
GM:“究極存在”が解除されます。
克也:ほう。なら俺がピッと名刺を投げてみるよ。
GM:どこ狙う?
克也:額かな。
GM:じゃあアガサはそこに名刺を受けると、血噴き出してぶっ倒れます。
一同:弱ええええええぇ!!
克也:今の攻撃力2だぜ(笑)。
GM:残念ながらアガサは実験体が居ないとどうしようもないんですよ。と言う訳で、街中に侵蝕していた“実験体No.00”の肉塊なども消えていきます。
克也:ギミックとはなんだったのか……。
GM:ギミックごとぶち壊しやがってええええ!!
克也:恐るべき、“スターダストロイス”。
支部長:“スターダストロイス”、良い必殺技だ。
GM:まぁ……うん(泣)。バックトラックいきましょうか。
バックトラック
博:みんなここから戻って来ないといけないんですよ。
GM:えー、今回のEロイスを発表します。10個です。
支部長:俺振るぜー。42減って、108。残りロイス1個。
克也:支部長、倍振りしましょう。
支部長:2個振って9以上……6。
克也:支部長、追加振りしましょう(笑)。あと1個振れる。
支部長:ふむ、9。セーフ。
GM:あっぶねぇ! 支部長ギリ帰ってきた(笑)。
克也:次俺行くよ。侵蝕率は176で……44減って132。ロイスは5個あるから、倍振りかな。えっと、58減って74。さっき出とけよなこの出目……。
GM:おかえりなさいー。最後吉塚だな。
博:おう。10個だな? ……1が二つも出た。49減って131。で、4つかー。
GM:倍振りかな。
克也:追加振りまで考えれば余裕だろう。
博:8個で32か。……48減って83。あー、良かった!
GM:皆さんおかえりなさい! ではこれでセッション終了になります! お疲れ様でした!
エンディング
一連の騒動が粗方収まった頃、周防克也の元に非通知の連絡が入った。
「もしもし」
「羽渓だ。どうやらお前達が実験体の大元を倒してくれたようだな」
「えぇ。アガサとやらも一緒に葬っておきましたよ」
何気ない会話だが、張り詰めている感覚。お互いにどこか牽制し合っている声色。
「……兎に角、礼を言う。助かった」
「街の危機ですからね。UGNとして当然のことをしたまでです」
「いや、こちらの失態を片付けさせる形になったのは事実だ。それで、だ」
一呼吸空けて、電話越しの声は言う。
「お前に……いや、お前達に“欲望(ネガイ)”はあるか? 礼として、俺達のセルはそのサポートをさせてもらおうと思う」
これを聞き、周防克也は鼻で笑う。それは、嘲笑に近い。
「私はUGNの理念に基づいて動くだけです。それは今も、そしてこれからも変わりません。ですから……今回の件は“貸し”にしておきましょう。いずれ我々がそちらの手が必要になった時、そこであなた達を利用させてもらいます」
「……“マスターギガント”から聞いてはいたが、食えない男だな」
溜息と共に電話が切れる。数秒後、素っ気なく電話番号だけが記されたメールが手元に届いた。これは了承したという意思表示とみて良いだろう。
「ふむ。これでまた一つ、利用できるモノが増えたな」
口元を歪ませ、周防は満足そうにデスク作業を開始した。
支部長は相変わらず、椅子の上に踏ん反り返っていた。正面のモニターには霧谷雄吾の姿がある。
「報告書は周防君から頂いています。随分と規模の大きな事件だったようですね」
「そうっすね。でも俺の敵じゃないですよあんなの」
「そう言うと思いましたよ。流石としか言いようが無いです」
対集団での支部長の戦闘能力に関しては、霧谷日本支部長からの信頼も厚い。全ての絆を乗せた“スターダストロイス”の前には、あらゆる障害も崩れ去るしかない。
「あ、そうそう。ジャームが湧き出てきた時に支部がちょっとぶっ壊れたんですけど、修理費ってそっちで出ますよね?」
「本来は出ないのですが……支部長さんの頼みですからね、何とかしておきましょう」
「あざーっす。じゃあそういうことで」
電話を切り、コーヒーを飲む。それから、仕事をしている副支部長に向けて一言。
「えっと、君。名前なんていったかな?」
吉塚博は喫茶店に居た。向かいの席にいるのは、FHのマスターエージェント、雨宮沙希だ。普段のFHの戦闘ジャケットではなく、カジュアルな私服を着てはいるが。
「吉塚さん、今回の件は助かりました。ありがとうございます」
深々と頭を下げる沙希に、吉塚も思わずぺこぺことお辞儀をする。
「いや、まぁ私はどっちかと言えばうちの支部長に従わされてた感じですし、雨宮さんはあんまり関係ないんですよ」
「支部長……ですか。副支部長があぁなら、支部長もきっと大変な人物なんでしょうねぇ」
「えぇ、本当に。酷いもんですよ」
「うちの上司も酷いんですよ。天船っていうんですけど、もう魂が腐ってるというか」
そこでお互い笑った。その後は、お互いの上司に対する愚痴の言い合いになった。
「……っと、忘れるところでした。うちのリーダーから、吉塚さんに報酬を渡しておいてくれって言われてて」
「報酬ですか! 当然、それなりの額はあるんでしょうね?」
「いや、まぁ……出木杉さんが抜けてから資金繰りはあまり芳しくなくて。そんなに多くは無いんですが気持ちという事で受け取ってもらえれば」
そう言って取り出すアタッシュケースはそれなりの大きさだったが、中身は半分以上空いていたようである。吉塚はケースを少しだけ開けて確認し、やれやれと言った感じで笑った。
「ま、良いですよこれで。あとは、ここのコーヒーでも奢ってもらえれば」
「お安いご用ですね。昼ですしナポリタンでも食べます?」
何気ない会話の中に、二人はようやく日常を感じ取っていた。
・・・と、いうわけで終了となります。いかがでしたでしょうか?
今回は私のシナリオだったんですが、案の定突貫工事で色々不具合満載でした。申し訳ない。
まぁ、シナリオギミックは破壊されましたが、それはそれで支部長の強大さが出たということで良かったのではないでしょうかね。ちなみに彼女が生きていた場合、ウロボロスのエフェクト《封印の楔》と《能力強奪》で主要エフェクトを奪っていく予定でした。
まぁ、無事みんな戻ってこれたので良かったと思います。では、
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