ダブルクロスリプレイ-せめて人である夢を- その5

ダブルクロス3rd TRPG
※これ以前の内容を読んでいない方は、先にそちらを読むことをお勧めします。
クライマックスフェイズ
シーン1 復讐の結末   シーンプレイヤー:All player
妹が叫んでいた。父を倒してくださいと。言われなくても分かっている、私はそのために動いてきた。
・・・冷静になれ、いつも通りだ。いつも通り剣を構え、いつも通りに振り抜けば良い。
ただ、それだけのこと。何も、変わらない。

GM:シーン変わると同時に衝動侵蝕入りますよ。いつものように〈意志〉で目標値は9です。

克也:ん、成功。
玲仁:達成値11で成功。
博:失敗。まぁどうせ《ヒュドラの怒り》で常時暴走するし。
沙希:……失敗。あぁ、困ったな。
GM:おや、回避でもするの?
沙希:いや、変異暴走:殺戮。メジャーアクションで攻撃しかできなくなる。
博:復讐の相手が目の前にいるもんな。
沙希:どうしよう。多分、声すら出ない。
◆第一ラウンド
周防克也   …… 21
吉塚博    …… 21
雨宮サヤカ  …… 14
雨宮沙希   ……  5
オフィウクス ……  4
山田玲仁   ……  4→0
GM:さて、クライマックス戦闘です。オフィウクスは4ラウンドかけて“傲慢な理想”×3使って《墜ちる絶望》で全世界の人間をジャーム化させます……が、こいつらの攻撃力じゃ持たん(笑)。まぁフレーバー程度に思っててくださいな。セットアップ何かあります?
克也:全員に《戦術》を使用。侵蝕率100超えたので、レベルアップしてるぞ、ダイス6個増加。さらに《ファンアウト》で全員散開させておく。
沙希:なら最前線に位置取ろう。
玲仁:俺は《フルパワーアタック》を使う。
博:《ヒュドラの怒り》を発動。
GM:良いかい? ならオフィウクスが《加速する刻》を発動。まぁ演出なんで見ておいてね。メジャーアクションで《ナーブジャック》《導きの華》《狂戦士》を妹さんに。つまりは、彼女の意思ではなく《ナーブジャック》で操られているわけですね。
克也:なるほどな。
GM:これを止めるには、〈知覚〉〈意志〉〈RC〉〈交渉〉のどれかで判定して達成値20を出せればオッケーです。その後、戦闘不能にすると父親のロイスを切って復活します。これをやらずに倒すと君達へのロイスを取得して切るから気を付けてね。
沙希:了解。でもお姉ちゃん全部苦手なんだよねそれ……。
克也:これは俺の仕事かな。あ、GM。イニシアチブのエフェクト使っていいかな。
GM:どうぞどうぞ。
克也:なら、加虐のアージエフェクト《嗜虐の弁術》。雨宮妹の【行動値】-5、攻撃力-18するぞ。
GM:……えっ。攻撃力割とシビアに作ってたんだが。
沙希:こちらもイニシアチブで動く。アージエフェクト、《死神の疾風》。黒い風が背後から吹き荒れて行動を助ける。【行動値】+10、ダメージ+3D。
GM:あー、すごいっすわー……。まぁ、こちらから動かせてもらうよ。では金の少女がマイナーで《バトルビート》、メジャーは《サイレンの魔女》《さらなる波》を使用。ダイスは20個でC値9だから……え、達成値23。
克也:ふむ、全員の回避の目を見てから支援しよう。
博:んー、暴走中。
沙希:私も。というかロイスを切ってHPを回復したい。
玲仁:こっちはダイス多いから……うん、達成値15。
克也:15? なら《勝利の女神》。達成値+18するから回避成功だな。あとは《波紋の方陣》だが……お二人さん侵蝕率は?
沙希:私は良いよ。ロイス切って立つから。
克也:そうか、じゃあ仲間を守ろうかね。
博:さり気なくひでぇ(笑)。
GM:ほんとねー。あ、ダメ―ジは16点っす。
克也:吉塚に《波紋の方陣》。ダメージを0にしたぞ。
沙希:私は既にタイタスになってるのがあるから、それで復活する。ボスより先にタイタス化してるのがあるってなんなの……(笑)。
GM:まぁしょうがないよね(笑)。では、次の行動の人どうぞ。
克也:俺か吉塚かな、21だ。
吉塚:どっちから動こうかねぇ。
沙希:支援型が先で良いんじゃない?
克也:今回支援できないけど。まぁ、解除後に範囲攻撃してもらうか。では、金髪の少女に〈交渉〉で解除を試みます。オートで《援護の風》《ウィンドブレス》。さらにリーダーズマークを切ろう、これで達成値固定値が20、ダイス+5個。
GM:あー、うん。メタ読みしすぎじゃないですかねあなた。
克也:知らないねぇ。あ、達成値は44です。
GM:正気に戻るね、超戻るね。「皆さんありがとうございます! 今回のEロイスは13個です!」
玲仁:発言がメタいんだが(笑)。
博:さて、俺か。マイナーで《ハンドレットガンズ》。そしてメジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》《うごめく弾丸》《踊る髪》、そして《ギガンテックモード》で範囲化かな。重圧に硬直も付ける。
GM:重圧っすか、止めてくれませんかねぇ。
博:止めないね。んで、《魔弾の悪魔》《オリジナルツール》《パーフェクトコントロール》は、HPが足りないから無理。というわけで……達成値97かな。
GM:は!? 97!?
博:ダメージは83点装甲無視!
GM:あー……あかん、《ショックアブソーブ》使っても足りない(笑)。えっと、妹さんが倒れましたので父親のロイスを切って復活したということで《蘇生復活》を使用します。まさか一撃とは思わなかった……。
克也:達成値荒ぶってたからねぇ。
GM:あ、行動値的に妹さんは離脱しておきますよ。次の方どうぞ。
沙希:私か。暴走してるのが痛いなぁ……。
GM:殺戮の変異暴走って何だっけ?
沙希:メジャーで攻撃しかできなくなる。私攻撃以外のことするんだよ。
GM:あー、そうなんですか。
沙希:仕方ない、マイナーで暴走解除。そして《折り畳み》で収納していたトツカを2本地面に突き立てて……《物質合成》。(両の掌を合わせながら)二つの剣を、合成する!
GM:何か錬金術師出てきたんですけど。
沙希:これによりトツカ2本が合成し、5メートルはある大剣に姿を変える。
克也:これが“マスターギガント”の由来か。
沙希:で、終了です。マイナー使えればよかったのにい……。
GM:なら《フルパワーアタック》で山田は【行動値】0だし、ボスかな。今は娘を取られて怒り狂ってますからねぇ、《要の陣形》。対象は副支部長と、
克也:俺は確定なんですね、まぁそうでしょうね。
GM:ダイスで決めるか。えっと、雨宮姉と吉塚。
沙希:よし。
GM:組み合わせるエフェクトは、《絶対の恐怖》《コンセントレイト:ソラリス》《アタックボーナス》。これで攻撃力は+40だ。
沙希:さすがに耐えれそうにないな。
GM:まぁボスですからねー、達成値53。どうします?
克也:流石に今回は無理かな。
GM:うむ、では65点食らってもらいましょうか。
克也:初期ロイスで取ってる刑事の谷さんのロイスを切る。復活する。
沙希:オフィウクスのロイスを切る! ここで倒れる訳にはっ!
博:シナリオロイスの鯨のロイスで復活しようかな。
克也:じゃあこれでようやく山田の番か。
玲仁:おう。《完全獣化》するぞ。《知性ある獣》も使用。そして《イオノクラフト》で移動。
克也:《ファンアウト》で近付けたけど、初期位置ってどんなもんだっけ?
GM:んー、10メートルかな。
克也:山田は結局届いてなかったのか(笑)。
沙希:いい加減【行動値】上げておこう(笑)。
玲仁:メジャーは《アームズリンク》《雷の牙》《コンセントレイト:ブラックドッグ》《MAXボルテージ》《バリアクラッカー》《獣の魂》も使っておく。
克也:俺の支援ダイスは10個な。
玲仁:ならダイスは35個かな。
GM:なにそれやべぇ。
玲仁:(ダイスをいっぱい振る)達成値が伸びない、47。ダメージは76点。
GM:ふむ、まだ大丈夫だ。

 

◆第二ラウンド
周防克也   …… 21
吉塚博    …… 21
雨宮沙希   …… 10
オフィウクス ……  4
山田玲仁   ……  4→0

GM:では次ラウンドになりますかね。セットアップどうぞ。
玲仁:《フルパワーアタック》だ。
博:《ヒュドラの怒り》を使う。
克也:《戦術》で全員にダイス+6個の支援をするぞ。そして俺の行動かな。《風の渡し手》《エンジェルボイス》。そしてここで侵蝕率が160を突破したため、エフェクトレベル上昇。これで全員にダイス+12個、C値-1の支援。
博:ダイス多すぎだろ(笑)。
克也:さて、次は吉塚だが、ここで支援を更に入れると雨宮姉が行動せず終わりそうな予感。
沙希:武器合成して終わりとか悲しいからね……?
克也:ここは復讐に付き合ってあげますかね。残りの支援はとっておくわ。
博:じゃあ行くぞ。武器が壊れてるから《ハンドレットガンズ》で作り直す。そして《コンセントレイト》《ペネトレイト》。《踊る髪》は良いか。《うごめく弾丸》で重圧を。
GM:えー、このキャラカウンターキャラなんですよねー。重圧で何もできん(笑)。
克也:120%制限のは重圧でも使えると思うが。
GM:120%どころか制限無いエフェクトなんですよ。こういう射撃キャラに《歪みの領域》で反撃しようと思ってたのにピンポイントで重圧使いやがって。
沙希:汚いKがバステばらまくボス出したから、重圧とったんだよね。
GM:シナリオの順番が逆だったら良かったのか……。
博:えっと、《魔弾の悪魔》《パーフェクトコントロール》も使う。達成値は……74かな。ダメージは68点。
GM:おおう、まだ平気全然平気。
沙希:さて、私の番か! 行くぞ? マイナーで《ライトスピード》。メジャーアクションを2回行う。
GM:あー、はいはい。……え? メジャー2回?
沙希:本当は《物質合成》した後そのまま殴りかかる用だったんだけどねぇ。あ、GM。ボスの様子見ててガードしてたとか分かる?
GM:こいつリアクション無いっす。常時暴走です。
沙希:了解。ならば……メジャーアクション、《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》《一閃》、そして《マシラのごとく》
克也:支援入れるぞ。《援護の風》《ウィンドブレス》、そしてDロイス“指導者”の効果を使う。これで総計ダイス+20個、C値は5になるな。達成値も+20。
GM:は!? C値5!?
沙希:ならダイスは33個。達成値は今〈白兵〉-4だから16か。
玲仁:マイナスって(笑)。
沙希:トツカ2本合成したからね。じゃあ行くぞ! 達成値は……145! ダメージはトツカの効果も使って187点!!
GM:あ、あー。それはですね、
沙希:待て、《死神の疾風》でダメージ+3D、そしてここで弟のロイスも切る。弟なのにロイスの属性オレンジなんだよね。
克也:オレンジだとダメージ+5Dか。
沙希:というわけで、ダメージ40点追加、227点!
GM:うーん、一応意味ないけど使っておきますか。てか使わせて(笑)。《復讐の領域》発動、受けたダメージを跳ね返します。
沙希:うげ、消し飛ぶレベルじゃん……。
GM:まぁ戦闘はもう終わってるし。
沙希:じゃあ倒れておく。ついに、討ったぞ……って言いながら。
克也:で、無事なUGNのメンツ3人に、倒れてるマスターエージェントという構図が出来上がるわけですね。
沙希:あれ、これまずい?
玲二:まず服を脱がせます。
克也:女性! 相手女性!
玲二:あ、いやUGNアーマーをね。
沙希:身の危険を感じる、山田のロイスをタイタス昇華。そうだ、山田は、田中だったんだ……! 立ち上がります。
GM:あれ、田中が山田じゃないっけ? 良く分かんなくなってきた(笑)。
沙希:まだ《ライトスピード》の二回目のメジャーやってないよね? トツカを捨てて《一閃》、全力移動30mで逃げる!
玲二:じゃあその剣を回収します。
克也:だめだ、この剣はシーンが終わると風になって消える。しかし全力移動30mか、こちらも全力移動で追いつけるな。
博:追いつこうか。
沙希:抵抗するよ、【肉体】15舐めないでよ!
玲二:俺なら押さえられるか?
克也:あ、お前は移動力的に論外だから(笑)。というか、妹置いていくのか?
沙希:あぁ、そうだ……UGNに捕まっちゃう。
GM:いやUGNが保護した方が良いんじゃないですかねー?
沙希:(克也の方を見ながら)……不安。
克也:何を言ってるんですか、弟さんも居ますし大丈夫ですよ。
沙希:すごく不安(一同爆笑)。
GM:あー、ぐだぐだになってますがこれでセッション終了です、お疲れ様でしたー。

バックトラックは音声データが飛んでしまったため残っておりません。ただ、全員無事帰還していました。

エンディング

雨宮沙希は一人、自室で横になっていた。
「……はぁ」
復讐は終わった。マスターエージェントまで上り詰めて、何としてでも成し遂げようと思っていた自分の“欲望(ネガイ)”。それが、終わったのだ。
「やることなくなっちゃったな」
達成感より、喪失感の方が大きかった。自分の中身はこんなにも空っぽだったのか、と思い知った。
これからどうするべきなのか。UGNに保護されたサヤカの奪還? いや、不安はあるとはいえ相手はUGNだ。一応全うな待遇で迎えてくれるはず。それに立場上、奪還した方が危険は高まる。
つまり、自分にできることは何もない。事件の後処理もUGN側が済ませた。本当に、何もする必要がない。
連絡が入る。天船巴からだ。そういえば、討伐したという報告はしていなかったか。気だるい体を起こして、電話を取った。 一応、本当に一応、恩師からの電話だから。
「はい、雨宮……いえ、“マスターギガント”です」

吉塚博は、駅のホームで電話をしていた。
「……そういう訳で、あの鯨は倒してついでに青い怪物も倒しましたよ」
「えぇ、周防さんからも報告は受けています。間違いないでしょう」
電話の相手は霧谷雄吾日本支部長。彼に報告の電話を入れ、この事件も収束していく。しかし、吉塚にはまだ問題が残っていた。
「で、霧谷さん。俺関わらなくても良い事件に巻き込まれてるんですけど、これ報酬は増えますよね?」
「えぇ、追加で振り込ませて頂きます」
「どの位です? 3倍は欲しいんですけど」
「流石にそれは……2倍出しますのでそれでどうか」
結果的に、2.2倍で落ち着いたようだ。流石に日本支部長の交渉能力には勝てない。
電話を切り、腕時計を見る。そろそろ電車も来るはずだ。
「今回も、結構儲かったなぁ」
にんまりと笑いながら、吉塚は悠々と帰路についた。

UGN支部は、妙に窮屈になっていた。
以前保護した出木杉兄妹に加え、今回は雨宮サヤカを保護した。ただでさえ小さな支部が、どんどん圧迫されていく。
「本部に送ることはできないのか?」
「周辺セルに過激なものが幾つかあるようです。護送中に襲われる危険性が極めて高いかと」
周防克也とウォルターが延々議論を続けている。周囲のFHセルの動向、最寄りのUGN支部への移送ルート、何を取ってもうまくいきそうには無いのだが。
「あの、私は姉さんのところで大丈夫ですから」
雨宮サヤカは言う。しかし、UGNの面子としては、FHにオーヴァードを送ることは反対だ。
「まぁ、あなたのお姉さんはまだまともだと思いますけどね。問題はFHという組織そのものですよ。ほら、あなたのお兄さん、もう以前の面影無いくらいぶっ壊れてるでしょう?」
克也が指差す先に、ロープでぐるぐる巻きにされた雨宮創の姿が。それを見せられると、サヤカも反論できない。
「仕方ないんですよ。ま、あのお姉さんをこちらの戦力として上手く引っこ抜ければいいんです。一度“欲望”を叶えたFHの人間など、きっと抜け殻状態でしょうしね。言葉巧みにやれば余裕ですよ」
「は、はい……」
そこで、山田玲仁が戻ってきた。玲仁はサヤカの姿を認めると、副支部長と対照的な、朗らかな笑みを浮かべた。
「そういえば、まだお礼を言っていませんでしたね」
俯こうとするサヤカの頭を撫でる。 少し驚いた様子で、サヤカは目を大きくして山田を見た。
「ありがとう。君のお陰で、私は今も生きています」

と、いうわけでリプレイは終了になります。最後のエンディングは、僕の拙い文章力で勝手に書かせて頂きました。もしイメージと違うキャラになってたらすまん、連絡して要望出してくれれば変えます。
そんなこんなで、どうだったでしょうか? 個人的には一番気に入っているリプレイです。何というか、キャラが生き生きしてて、それぞれにストーリーを持っている感があったと思うんです。僕の勝手な思い込みかもしれませんが。
では、またの機会に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました