「どうも、赤錆です」
「妖精の神のルストですー」
「黄金の騎士のセイーザです」
「狂信のライナだよ! にっしっし♪」
「紅葉の巫女のカエデでございます」
「白龍の孫のシャールだよ」
「愛のレヴィンですよー」
「禁書のアル=アジフよ。ほら、早く炬燵から出てきなさいそこのおバカ共」
「う、うみゅー……」
「うぅ、あと半年待って欲しいです……」
「はいはいミレン様もめるめるちゃんも起きた起きた。あ、私はセツナだよよろしく!」
「おっけー揃った? それじゃ改めまして」
『あけましておめでとうございます!!』
「明けてしまいました2020年ー」
「でもイルヴァでは結構年月経ったけどね!!」
「それを言うのは野暮というものですよ。取り敢えずおせち料理もってきますね」
「お手伝いしますよ~。シャールちゃんはおこたで待ってて下さいね~♪」
「あ、うん……ミレン様、ミカン食べます?」
「食べる~」
「甘やかしちゃダメです、シャールさんや。ミレン様は堕落の化身。ほらちょっと突っ伏すの止めてくださいお鍋置けないです」
「お鍋っ、お鍋っ♪」
「久々の大人数にはしゃいでるわね……ん、セイーザそれは何よ?」
「ふふ、これですか? これは年始恒例の……」
「ひゃっはー、お年玉だー」
「いえーい。運試しだー」
「やったぜぃ! さぁさ開けよう開けよう!!」
「いっぺんに開けられたら訳が分からなくなりますよ……順番に開けましょう」
「そうだねー。順番はめんどーだしさ、陣形の順番で良いんじゃない? 後衛からさ」
「ならわたしですっ! わくわく、これにしますっ!!」
「逃がしませんよ」
「は、はわわわ……こ、これは悪いものですか……?」
「いや、ゴールドベルとシルバーベルが出てるから、当たりだねー」
「んむー、お年玉だねぇ。お小遣いで何か買ってあげようー」
「わーい♪ 魔道書魔道書っ♪」
「相変わらずねぇ。次は私? 適当にこれにしとくわ」
「*ぬくぬく*」
「わわっ、消火消火!」
「よりによって魔道書の精に炎は……」
「うぅうぅぅ……もうやだぁ……ぐすん」
「よしよし、良いことあるさあるさー。次引いちゃってー」
「んじゃ私が引きましょうっと」
「おや、お弁当ですね」
「あ、ミレン様先に食べないでください。おせちありますから」
「これは当たりでしょうか。良いですね」
「にっししし♪ 腐らないように冷蔵庫にいれておくね!」
「お弁当類は腐らないんだけど……どうなってるんだろうね、あれ」
「確かに……あ、次は私ですか? じゃあ僭越ながら……これにしましょう」
「セイーザいえーい」
「カエデちゃんいえーい」
「い、いえーい? えぇと、これは当たりでしたね? ありがたいことです」
「お年玉だねぇ。私もリアルにお金が欲しいぜ……」
「お金欲しけりゃ働こうねー。んじゃ私? これかなぁ……とりゃ!」
「え、えいっ! あ、あら……?」
「とりゃ~、ぬーん」
「いやあのミレン様、ちゃんと倒して?」
「まほーじゃたおせないのでおーえんしますっ!」
「にっししし♪ しかしベルがいっぱいでるねー! 除夜の鐘? 鐘?」
「煩悩が湧きそうな鐘だけどねこれ……」
「あはは。次は……私ですか? それじゃこれにしましょう」
「おぉ……とてもめでたい物が出ました!」
「かがみん餅だ!」
「鏡もちね。運が上がる餅だねぇ。これは当たりだ。レヴィが食べとく?」
「いえ、運ステータスは私には必要無いので……お母さんに食べて欲しいです!」
「おぉ……良い子に育って私は嬉しいぞー」
「とても良い子ですねレヴィは……ほら、なでなでしてあげましょう」
「にぱー☆」
「良かったねお姉ちゃん! じゃあ次は私だね! そーれ☆」
「いや当たりの部類なんだけど、これは……」
「――――や」
「……や?」
「やったああああ!! これで自分だけの聖地ができるね!! にっしっし♪」
「これは強い子」
(強すぎて要警戒なんですけどねー……)
「……まぁ、ライナが喜んでるなら良かったよー」
「あはは。えっと、次はボクかな? これでいこう」
「ふつうのお餅だったね。まぁ、当たりでも外れでもなさそう」
「いえいえ当たりですよきっと。焼いてきな粉をまぶしてきますねー」
「あ、ありがとう……セツナさんいい人だね」
「私をおこたから出そうとする悪鬼ですよあれは」
「ミレンちゃんはだらけすぎー」
「オカンポジションですかねぇ、セツナ様。さて、次は私が戴きます。こちらにしましょう」
「お揃いですねぇ。並べて飾っておきましょうか」
「仲良し親子ですね、微笑ましいです」
「えー、これ私も鏡もち引かないと仲間はずれじゃんー」
「次に引けばいいのだよ、さぁさぁ」
「ういうい。んじゃ……っと、危ない。忘れるところだった」
「はにゃ?」
「ふぅ、店じまいしてきましたよルスト樣」
「おや、インストラの所の白羽鳥じゃないですか」
「サヤちゃんおつかれー。店番してもらってるんだよ。それで、はいどれか選んで」
「え? これは何ですか……?」
「お年玉!! 運試しなんだよっ!! 年明けだからね!!」
「好きなのを選ぶと良いよ。悪いことは……きっと無いとおもう」
「は、はぁ。それじゃ、これをいただきますね? 中身は……」
一同「……」
「……死ねってことですか(泣)」
「ち、違う違う!? えっとえっと……その……」
「石の十字架!! 祭壇の所に飾るとかっこいいかも!!」
「でもこれお墓じゃ……」
(どうしてくれるこの雰囲気ー。掛ける言葉が見つからないだろ!!)
(私に言われても困る……!!)
「はぁ……はぁ……慰めるのに時間がかかった……」
「美味しいお料理とお土産と渡して、何とか元気出してもらえたよ……」
「えぇ、何とか……実は若干一名まだ落ち込んでる子がいるんですけどね」
「……年始から燃えるなんてもうオシマイよ……死ぬしか無いわ……」
「アルちゃん元気出して……ほらおミカンあるよ?」
「魔道書の精にいきなり火をけしかけるのはダメージ大きすぎでしたね……」
「あうあう、ほら信仰の巻物あげるからっ! 元気を!! がおー!!!」
「よしよし、ですよ。……そういえばルストさんと赤錆さんは引かないので?」
「そういえば引いてないね。不公平だと思うな」
「後から引くだろうし良いんじゃないかー? ほら、また燃えたらアルが死んじゃう」
「確かにそうですね……お母さんと赤錆さんは隠れて引いてください」
「おっけー。それじゃここらで締めましょう。それでは皆さん」
「んむ、ご唱和くださいなー。せーの」
一同「今年もよろしくお願いします!!!」
~その後~
「さて開けるぞー」
「負けるかー」
「貧乏クジ引かされるのは御免だ! 私が先に引くぜ!」
「あっ、抜け駆けずるい……」
「……」
「…………」
「…………パカッ」
「……」
「いえーい」
「……ぐすん」
コメント