※これ以前の内容を読んでいない方は、先にそちらを読むことをおすすめします。
ミドルフェイズ
シーン1 プロジェクト シーンプレイヤー:雨宮沙希
マスターエージェントはその卓越した能力から、しばしば単独行動が許される。特に雨宮沙希……“マスターギガント”はその傾向が強い。一人で調査を行い、一人で敵を叩く。それができるだけの能力を、彼女は持っている。
GM:まずはFHサイドから始めます。
沙希:はいはい。行くよ、侵蝕率は……4上がった。今55。
博:やべぇ、高ぇ(笑)。
沙希:仕方ない。私その分戦闘中の増加は多くないから。
GM:さて、現状できる事と言えば吉塚のオープニングで言いましたが、既に先遣部隊が戦闘を行っており、生き残り二名が接触を求めています。
沙希:接触を求めている? ふむ。
GM:実験体からの追撃が恐ろしく、意識がある方がオルクスのシンドローム持ちなので空間に結界のようなものを張って立て篭もってる状態です。
沙希:《不可視の領域》か。なるほどね。
GM:後はさっき“マスターマインド”から受け取った情報の解析。(煽るような口調で)厳重にパスワードロックが掛かってます。〈情報:FH〉か〈知識:ウェブ〉でいけるよ。
沙希:ふぅん。まぁ、“マスターマインド”が寄越したものだから何か使えるでしょう。うちの上司は嫌な奴だけど一応信頼してる。嫌な奴だけど、凄く嫌な奴だけど。
博:副支部長は?
沙希:どっちもどっち。と言う訳で調べますよ。
GM:どうぞ。難易度は8と13。
沙希:8と13?
GM:まぁ俺のシナリオは情報収集ミスっても最悪物理でごり押せるから(笑)。
沙希:んー……使っておきますか。《コンセントレイト:モルフェウス》に《巨匠の記憶》。ダイス6個にC値7で情報収集を行います。えーと、回ったね。達成値19。
GM:余裕やね。まず難易度8の情報から渡すよ。この実験体はー……マスターだし大丈夫だよね。以前プロジェクト“アダムカドモン”というものがありまして。
沙希:……ほう?
GM:マスターエージェントだしそれ位知らせても良いだろうという事で。遥か昔にUGNとFHが共同で行っていた、元はジャームを人間に戻すという研究です。ですが、そのようなことは無理だと分かり、途中からより強力なジャームを生み出すという狂気に満ちた研究へと変わっていきました。
沙希:そんな研究が……あったのね。
GM:で、その研究の一環でとある研究者が、「レネゲイドの再生能力を応用して不死身の人間を作れるのではないか?」と考えて、再生能力に特化したオーヴァードの研究を行っていたそうです。
沙希:なるほど。
GM:そして大半は再生能力が行き過ぎた結果、細胞が無限増殖し肉塊になってしまい死滅。
沙希:なんか、うちに居た“実験体”みたい。
GM:で、残っていたのは現在脱走している実験体のみ。女性だったようですね。
沙希:成功していたのかな?
GM:ただしこの研究もプロジェクト“アダムカドモン”の消滅により凍結されていたので、詳細は不明。この女性の実験体に関しては、実験を行っていた研究所の最下層に核シェルター並の強度の場所に封印されておりました。
沙希:……ん!? うん、そんなものがあったのね?
GM:で、今回それを破って脱出したということです。
沙希:ちょっと本当に手を引きたいんだけど。
GM:次目標値13の方ね。封印されていた女性は身体の各部分をバラバラにされて別の研究所に持っていかれています。
沙希:何か、繋がってきたよ。
博:これはまずいなぁ。
GM:ある意味貴重な実験体ですからね。それで体のパーツを分解して各研究所が利用していたんです。で、襲われた研究施設はその実験体の研究に関わっていた施設、およびそういった体の一部が運び込まれた施設だったということです。
沙希:なるほど、だからうちには来ないわけね。うちはアガサが勝手にやらかしてただけだし。
GM:そうだね、この実験体には関わってないから。で、これまでの襲撃で実験体は身体の各部位を取り戻しており、現状左腕を残すのみとなっています。
博:やばい。これはまずい。
GM:まぁ情報としてはそんなもんだ。
沙希:ちょっと……うん。サヤカを連れて逃げたい。経験点を使って《すり抜け》を取得してUGN支部に侵入してサヤカを奪取して逃げる?
GM:ちなみにお前の行動としては、このままUGNと合流する。または接触を求めているFHエージェントを保護する。そのどちらかを選べます。
沙希:どちらかしか選べない?
GM:うん。行動は2回まで。
沙希:そっか。じゃあUGN。サヤカの方が心配。
GM:了解。ならUGN支部にこの情報を持って移動するという感じで良いかな?
沙希:はい。
GM:じゃあお前のミドルフェイズ1は終了ですね。
シーン2 UGN始動 シーンプレイヤー:吉塚博
事件が起きた。戦闘跡に気絶した少女。ワーディング。FHセルリーダーからの連絡。動くには十分過ぎる事態だ。むしろ情報が集まりすぎていて違和感すらあるが。
何にしても、被害の抑制と隠蔽が最優先だ。全員動いて欲しい、頼んだぞ。
GM:次吉塚の番。シーンインどうぞ。
博:はーい。……2だな。
沙希:上がらんなぁ。
GM:では先程雨宮が得た情報など全く知らない吉塚は、羽溪さんから得た情報を元に副支部長に報告をしておりました。
沙希:まぁそうなるよね。
GM:(副支部長になって)「なるほど。では現状我々に害が及ぶわけではないが、どうなるかは分からないということだな。吉塚、これは情報料だ」と言ってある程度握らせてくれますよ。
博:やったぁ、財産点何点増えるのかな?(笑)
GM:まぁデータでは増えないよ。
博:なーんだ。
GM:この程度の情報だ、4、5万てとこだろう。
博:わーいわーい、ちょっと旅行してこよう。
GM:大学生ならそんな感じだろうなぁ。ということで、ちょっと支部が騒がしいことに吉塚は気付きます。
博:騒がしい? 何かうるさいですよ?
GM:「先程山田が戦闘の跡を見つけたと言っててな、今そちらの調査を始めているところだ。あと奴が保護してきた少女の容態があまりよろしくないようでな、うちの医療班が治療をしている」
沙希:調査には誰が出てるんだろ。南条さん?
GM:南条と鳴上がペアで行ってる。
沙希:やっぱ鑑識さんか。で、“一斉掃射(フルファイア)”は勝手に出てると。
GM:いや、“一斉掃射”はぐるぐる巻きにされて妹に面倒見させてるよ。
沙希:な……事件が起きてあのバカが暴れてないなんて(一同笑)。
博:暴れさせてないんだよ(笑)。
GM:奴は戦闘力としては確かなんだが、こういうデリケートな案件には向いていないからな(笑)。問題が何か確定するまではこうして支部で抑えつけていることにしている。
沙希:まぁ、間違ってはいないね。
博:こいつが動いて碌なことは起きてないからな。
GM:また勝手に動かれて被害が拡大されても困るからな。
沙希:あいつが動いて事態が好転したことって殆ど無いんだよね。
GM:無い。
博:精々「お前は既に包囲されている」のくだりだけじゃないか? ※リプレイ・悪意の凶弾参照
GM:基本的に奴には支部に待機してもらっていて、奴の戦闘力が必要になった時だけ即座に木見君に送ってもらう予定だ。
沙希:あはははっ! 何、じゃあ木見君も支部にいるのかな?
GM:嫌々だけどね。
沙希:まぁ木見君は嫌々だろうなぁ。多分隅っこで暗くなってジュース飲んでる。
GM:「何で僕がこんな目に……」とかぶつぶつ言ってるだろうね。
沙希:うん、そんな感じ。
GM:で、冠さんは支部長のお供でバカンス。
沙希:ということは、今は実質副支部長が支部長代理やってるのか。
GM:うん、平常運転だね。
博:あのー、いつの間にか支部長になったんですね。
GM:「いや、私はあくまで副支部長だよ。支部長は支部長以外には居ないさ」
博:支部長飛び回ってばっかりだなぁ。
GM:支部の現状はまぁ、そんな感じだな。
沙希:了解了解。
GM:さて、山田の分も含めて吉塚も2回行動して良いが、調べられる項目言うぞ?
博:ほい。
GM:現在UGNでは山田が持ってきた情報を元に調査が行われている。で、お前ができることとしては、羽溪さんが言ってた情報が真実かどうかを確かめるためにFHの動きを調査。あとは山田が発見したという戦闘の痕跡について、調査に出ている鳴上達に連絡を取って情報を教えてもらう。そして山田が保護したという少女についての情報収集。
博:なるほどね。
GM:お前は雨宮に渡した情報は知らないという前提で、行動を選んでくれ。
博:んー……どうしようかね。まぁ今のFHの状態でも見ますかね。
沙希:まぁ気になるよね。
GM:これは〈情報:UGN〉か〈情報:FH〉だな。難易度は5と8。
博:〈情報:UGN〉やね。技能5あるから5は自動成功だな。で、8は……2と1が出なければいけるんでしょー?
沙希:え、何それフラグ?
博:もちろんフラグだよ。よーし、行くぞ……あっ、9が出た。
GM:余裕っすね。はいはい、じゃあ情報渡すよ。まず低い方からね。羽溪さんから連絡があった通り、ここ最近FHのものと思われる研究施設……ウォルターが目星をつけていたのですが、それが何者かによって破壊されていたということが分かりますね。
沙希:ウォルターが目星をつけていた(笑)。やはり万能か。
博:1シナリオ1ウォルター(笑)。
GM:1シナリオ1ウォルター、ここで達成。まぁ、そういう感じだな。で、破壊された順番や日付なんかも羽溪さんの情報に間違いはない。
博:なるほど、正しく調べられてるじゃないか。
GM:で、高いほうの情報ね。最後の一か所の施設から何かが運び出されて、この街に運び込まれたという情報を入手します。ちなみにこれはお前等のセルは関係無し。
沙希:はぁ? うちのセルには関係ないの?
GM:無いよ。お前等のセルはこの研究施設には関係ない。
沙希:リーダーが何か取り寄せたとかも、無いの?
GM:そういうのは無いね。
博:はぁ。
沙希:これは……私はこの情報分からないんだよなぁ。分かってればすぐ探しに行くんだけど。
博:そもそも“実験体”がどんな姿してるのかとか、俺は分かってないんだよなぁ。
GM:その情報はお前は持ってないね。
博:それを教えてくれないと仕方ないんだよな。
GM:あとは……山田と話をするか南条達と話するか。戦闘痕があってその現場に行ってるのが南条。保護してきた少女を付きっ切りで看病してるのが山田。どっちの様子を見に行く?
博:うわぁ……雨宮が得ているデータを知ってるんだったら確実に少女の方に行くんだけどね。
GM:お前が分かってるのは、FHの施設から何かがこの街に運び込まれたということ。後は、FHのものと思われる戦闘痕が発見されたということだけだね。
博:じゃあもうこれは戦闘痕行くしかないね。
GM:じゃあ現場か。
博:現場百辺と言いますし。
GM:まぁ南条と鳴上が行ってるから、電話で様子を聞けば良いよ。
沙希:きっと鳴上が映像を映してくれる。目にカメラが仕込んである。
GM:あいつ遂に目まで(笑)。
博:人間テレビ電話(笑)。
GM:で、使える技能は……また〈情報:UGN〉かな。何か使いたいのあったら言ってくれれば検討するが。
博:〈情報:UGN〉が一番楽かな。
GM:じゃあ良いか。これは難易度は4と9だね。結構低いよ。
沙希:楽勝過ぎないか?
博:なーんだ。3以下を出さなければ良いのか。
GM:財産点もあるし、ファンブル出さなきゃ成功だよ。
博:【社会】2で〈情報:UGN〉5だから……うん、成功だわ。
GM:ならまず低い方ね。事件現場は大体二十名近くの人員の戦闘痕だということが分かった。結構激しい戦闘痕だね。
博:二十名ってことは二個小隊か。さっきの情報通りじゃんか。
GM:次高いほうの情報ね。痕跡には大きく分けて二パターンあって、一つは何らかのエフェクトによって付いた痕。電撃や、熱によって溶けたりしたような痕だね。で、もう半分は素手によって引き千切られたような痕。
博:……待って。
GM:コンクリートの壁や地面を素手で引き千切って投げつけたような痕。
沙希:武器とかも無さそう?
GM:武器の痕はエフェクトの痕にまとめてある。もう半分は本当に素手による痕だね。
博:やばい。
GM:で、もう一つ。これだけ激しい戦闘跡にも関わらず、死体が無い。これは山田も見つけてない。山田が来た時には少女しか居なかった。そして血痕なども殆ど無い。
博:待って待って待って、だとしたら何でそんな場所に居たの少女は?
GM:だからその戦闘での生き残りという事で、目が覚めてから事情聴取する予定。副支部長としては。
沙希:まぁそうなるよね。
博:二十名のFHエージェントの中に少女がいるってことは到底考えられないよね……。
沙希:いや、いてもおかしくないでしょ。
GM:うん、マスターエージェントに女性もいるし、FHはチルドレンも多く育成してるから、少女が倒れてることには何ら疑問は無いね。あと山田からは要領の良い情報は得られていないので(一同笑)。
沙希:そんなところまで再現しなくて良いのに(笑)。
GM:そういうこともあって、南条と鳴上が二人掛かりで調査に出てるんだよ。鳴上はまた戦闘があるかもしれないということで肉壁役としてね。
沙希:南条さん、ミドルじゃ戦えないしねぇ。
博:……さて、FHに少女みたいな人が居るかどうか聞いてみたいなぁ。
沙希:ただFHは個々のセルの繋がりがすごく弱いからねぇ。
GM:例外的に繋がってるセルはあるけど、逆に言うとそんな例外でもなければ基本他の情報は知らないだろうね。
沙希:うちのセルは一度壊滅してるから殆ど繋がりないのよね。
GM:と言う訳で……凄いな、お前等ピンポイントで大事な所外してるからなぁ。
沙希:マジで?
GM:まぁ、次に行こうかね。
シーン3 邂逅 シーンプレイヤー:雨宮沙希
少しだけ、頭痛を覚える。UGNには正直行きたくない。もちろん、サヤカには会いたいのだけど、それ以上に会いたくない人間が居るのが理由だ。衝動:加虐の滲み出る男、“ゼピュロス”。だけど、背に腹は代えられない。私は、サヤカを守る。
GM:次シーンですよ。UGN支部に来るならどうぞ? お前なら副支部長が顔パスで通してくれるよ。
沙希:シーンインのダイスは……10、だと? うぅん、えーと……取り敢えず受付の人いるよね?
GM:うん。
沙希:ウォルターじゃないよね?
GM:一応副支部長が表向き経営している会社も入ってるし、そうだね。
沙希:なら《テクスチャーチェンジ》でちょっと武器の紋章やら自分の身分証明書も偽装しておく。
博:ウォルターだったら一発で見破られるからな(笑)。
GM:で、どんな感じで入ってくるのかな?
沙希:すいません、周防副支部長の知り合いなのですが。本部から来ました、雨宮……は流石にまずいな。
GM:雨宮とか言ったら流石に警戒するぞ(笑)。偽名使うなら今の内なら許可しよう。
沙希:そうね、じゃあ水月と言いますが。
GM:「水月様ですか? アポイントメントはございますか?」
沙希:アポイントメントは、緊急事態の為無いのです。本部の証明はあります。
GM:ちなみに、〈知覚〉で見破れたよね? 受付の人のデータは……この人結構【感覚】高いな(笑)。
沙希:目標値は……9だね。
GM:(ダイスを振る)あっ、9出た。《テクスチャーチェンジ》は見破ったね。
沙希:バレたか。
GM:偽装しているのは分かったか。
博:誰かまでは分からないよな。
GM:そりゃな。じゃあ副支部長に連絡取るよ。「何か偽装をした方が副支部長に会わせろと受付に来られているのですが」と。で、容姿とかも伝えるね。すると副支部長は「なるほど。ではこちらに上がってもらいなさい」
沙希:ま、副支部長の前に出るのは確定なんだからこれで良かったのよ(笑)。取り敢えずFHってことはあまり知られたくなかったからね。
GM:副支部長もそこら辺は把握してるからね、あまり大っぴらにFHと付き合う訳にもいかないし。で、副支部長の部屋に通されるよ。あと雨宮創の拘束も解除されたよ(笑)。
沙希:どうも、“ゼピュロス”さん。
GM:「久しぶりですね、“マスターギガント”さん」と満面の笑みで出迎えてくれるよ(一同笑)。
沙希:単刀直入に言う。雨宮サヤカを保護させろ。
GM:「どういうことでしょうか?」
沙希:今この街に厄介な“実験体”が……ここに来る訳では無いかもしれないんだけど、何かしら来てるらしい。
GM:「なるほど、確かにそのような話はあなた方のセルリーダーから伺っております」
沙希:あぁ、やっぱり羽溪さん連絡してたのね。
GM:「全く、この程度で前回の借りを返せると思っているのなら、図々しいにも程がありますね」
沙希:でしょうねぇ……。まぁ、そういう訳です。別にサヤカをこっちに寄越せと言ってる訳じゃない、サヤカをここで保護させて欲しい。事が収まるまで私をここに居させろ。
GM:「なるほど。まぁ確かにそれは構いませんよ。私どもも戦力は必要ですので……支部長がまたバカンスに行ったものですから」と頭を抱えながら言います(笑)。
沙希:支部長と言うと? 私は良く知らないんだが。
GM:「あなたはお会いしたことはありませんでしたね、私どもの支部長には」
沙希:どうせ機密事項なんでしょう?
GM:「まぁそうですが別段構いませんよ。先日あなた方の実験体が暴れた際に、街の外れの方で何かが光り輝くのを見ていたでしょう? あれが支部長の力です」
沙希:あぁ……あの夕刻時の。確かに目立っていましたが、あれですか。
GM:「あれが支部長の能力です」
沙希:私あそこから一キロほど離れた所に居ましたが、衝撃がこちらまできてましたね。あれは少し驚きましたよ。 ※リプレイ・狂気の実験参照
GM:「支部長は今別口の任務がありましてね、現在支部を離れているんですよ」
沙希:なるほど。
博:何か……大将が前面に出て戦う感じなんだな(笑)。
沙希:取り敢えず思ったことは、このUGN支部を敵に回したらまずいということかな。
GM:で、ここで吉塚と合流で良いかな。シーンインよろしく。
沙希:吉塚さん、お久しぶりです。
博:お久しぶりです。(小声で)何でこんな厄介な場所に入り込んできたんですか?
沙希:(小声で)サヤカが心配なんですよ。
GM:ではここで、副支部長に医療班の方から連絡が入ります。「山田さんが保護した女性が目を覚まされたそうです」
沙希:……女性?
GM:女性。
沙希:女性っていう情報、私は知ってるよね? すいません、保護した女性とは?
GM:「先程うちの山田がですね、FHの戦闘跡に一人少女が倒れているのを発見したらしく、こちらで保護しているのですよ」
沙希:……いけない。それは、まずい。その少女は何処に?
GM:「医療施設はうちの二階ですね。ご案内しましょう」
沙希:お願いします。
GM:吉塚はどうする? 一緒に来る?
博:ちょっと後ろに付いてくる感じで。
GM:じゃあ副支部長の案内の元医療施設の方へ。
沙希:いつでもトツカを構えられるようにしておく。当然見た目は違うけどな。
GM:良いけど、支部内でそういうことしているとこっちは雨宮に銃向けさせておくけど?
沙希:大丈夫、《テクスチャーチェンジ》でナイフサイズになってるから(GM笑)。
GM:便利だね《テクスチャーチェンジ》。まぁ副支部長は目聡く見抜いてるけど気にはしないよ。じゃあ良いかな? 医療施設入ると一人の少女がベッドに横たわっていて、その傍に山田が居るね。
沙希:山田さん、お久しぶりです。
GM:「久しぶりですね、雨宮さん」
沙希:……さて、問題の少女だけど。起きてるんだよね?
GM:起きてるね。黒髪の美少女だね。
沙希:他に特徴的なことは?
GM:左腕が無い、位かな。
沙希:……どうしようかな、UGN支部内で暴れる訳にもいかないし。
GM:山田は「副支部長お疲れ様です」といった感じかな。
沙希:ふむ、そうね。
GM:で、医療班の人から簡単に報告があるけど、「全身に打撲のような傷はありましたが、流石オーヴァードですね。もう粗方完治しているようです」
沙希:まぁ……普通、かな? その辺は良いだろう。
GM:「ただ戦闘の後遺症かどうかは分かりませんが、現在記憶が無いと言っています」
沙希:ほう? 記憶が無い? へぇ……どうしましょうかね。
GM:お前等何かやりたいことがあるなら考えてくれ。……山田が動けてない所為で一手足りてないんだよなぁ。
沙希:やりたいことね。動こうにもなぁ、支部内だと下手に動けない。最悪副支部長に敵対されてアウトだから。こっちは観察する位だ。
博:俺もそうかな。
GM:少女についての情報収集したいならしても良いよ。
沙希:お、良いの?
GM:〈知識:レネゲイド〉か〈知識:医療〉。
沙希:あるよ、〈知識:レネゲイド〉。1レベルだけど。目標値は?
GM:これは言わない。
沙希:なるほど。《コンセントレイト:モルフェウス》《巨匠の記憶》で。侵蝕率はこれで72。
博:やべぇ(笑)。
GM:まだ戦闘行ってないのに。
沙希:ダイスは8個。C値7で知識判定。えっと……24。
GM:24か……なるほど。じゃあ分かったことを言うよ。少女は現状肉体的な傷は治癒しているけど、左腕だけは何故か治る気配が無い。元々無かったかのように断面も綺麗。あと、少女はオーヴァードであり、エグザイル/ウロボロスのクロスブリードであることも分かるかな。
沙希:エグザイル/ウロボロス……逃げ出した実験体のシンドロームの情報ってまだ無かったよね?
GM:無かったね。治癒能力に特化したオーヴァードということしか分かってないね。
沙希:そうかぁ、うーん……しかし傷が治ってるってところは引っかかるなぁ。
GM:まぁオーヴァードなら戦闘の傷がすぐ治るのは共通だからね。副支部長程度の戦闘力でも治癒力はそれなりにある。
沙希:まぁね。分かったことはそれ位?
GM:そんなもんだね。
沙希:やっぱ30超えないとだめかぁ。じゃあ、もう特に無いよ。
GM:無ければイベント進めるけど良いかい?
沙希:うん。吉塚さんは?
博:何かあるかね? だってこの人調べちゃったでしょ?
GM:他に気になることとか、少女について更に調べるとかあるならやって良いけど。
博:山田について調べる?(笑)
沙希:山田だと?(笑) まさか、この山田……。
GM:偽物か(笑)。
沙希:そうか、今回やけに……妙な発言が少ない!(一同笑)
GM:本人が居ないからな(笑)。特に無ければイベントが起きるけど?
博:特に無いね、うん。
GM:じゃあ外に調査に出ていた鳴上達から連絡が入ります。シーン変わるよ。
シーン4 発見 シーンプレイヤー:雨宮沙希
腕の無い少女を見て、雨宮沙希は困惑していた。果たしてこの少女が実験体なのか。もしそうだとして、私に倒すことができるのか。敵対心はあるのか、ないのか。
そこで鳴り響いた現場からの連絡。果たしてこれは福音になるのか、否か。
GM:「副支部長、忙しい所すいません」と副支部長の電話から南条の声が。
博:なるほど。
GM:「ちょっと待ってくれ」と副支部長は皆に聞こえるようにスピーカーモードにします。
沙希:わざわざ有り難い。ハヌマーンの能力で聴こうと思ってた所だった。
GM:そこら辺は隠すことでもないし。と言う訳で、電話を掛けてきたのは南条です。「現場検証で付近の調査を進めていた所、戦闘痕跡を見つけた場所から一キロ程離れた廃屋にFHエージェント二名を発見致しました」
沙希:あぁ、私に接触しようとしてた奴か。
GM:「一人は手酷い傷を負っており、あそこの戦闘での生き残りだという事です。一人は傷が酷く、もう一人も消耗が激しいため、すぐ話を聞ける状態ではないようですが如何致しますか?」
沙希:はぁ。で、副支部長の判断はどうなる?
GM:「なるほど、FHエージェントか。とは言え傷を負っているとなってはな。一旦うちの支部で保護しようではないか。動けるようならば連れて来い、動けないならばうちから迎えを出そう」
沙希:ならこちらからも進言しよう。“ゼピュロス”さん、そのエージェントはもしかしたら私が知っている人間の可能性があります。
GM:「ほう、そうですか。ならあなたに迎えに……いや、あなたは支部でサヤカさんの面倒を見るのでしたね」
沙希:えぇ、そうです。
GM:「仕方が無い。今木見君が待機していましたね、彼に連れてきてもらいましょう。木見君頼みましたよ」
沙希:(木見になって)えー、何処ですか? 廃墟? 廃墟? どこ? 地図はある?
GM:ある。
沙希:(木見ry)この辺知らないんだけど……。
GM:「仕方が無い、一っ走り行ってからゲートを開くと良い。オーヴァードならたかだか数キロ、すぐでしょう」
沙希:(木見ry)【肉体】1なんですぅー!!
GM:「15分以内な」
沙希:(木見ry)……見えてる範囲で《ディメンジョンゲート》出して飛びつつ行くか。あーもう、行きますよー……。今度休み下さいよ。
GM:「分かってる、私だって休みは欲しいんだ」と言う訳で木見君はFHエージェントを連れてきますね。
沙希:木見君がマジで便利過ぎるな。今ので侵蝕率多分15は上がったんじゃない?
GM:4回使って目的地に着いて、それから支部に戻った感じか。流石やね。まぁこれでシーン区切るよ、マスターシーン挟みます。
続きます。
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