ダブルクロスリプレイ-鮮血の彼方- その4

ダブルクロス3rd TRPG

※これ以前の内容を読んでいない方は、先にそちらを読むことをおすすめします。

シーン5 思惑   シーンプレイヤー:無し
 事件当日。マスターエージェント達は不思議に思っていた。これほどの人数のマスタークラスが集められることなど、滅多にない。加えて、“マスターマインド”の優秀な部下であった“マスターギガント”の姿も無い。更に任務自体も良く分からないものである。
 事情も良く分からぬままに、計画は着々と進行していく。

GM:少々過去の話になります。
沙希:話をしよう、あれは今から三十六万……いや、一万八千年前だったか。まぁいい……そんな前では無いんだろ?(笑)
GM:そんな前ではないね。ほんの二日程前の話だよ。具体的に言えばこの大規模戦闘が起こる直前の話です。

「今回の任務は一体何なんだろうな」
二個小隊、二十人程のFHエージェント達は、口々に疑問を口にする。謎の物資を運びながら。
「全く。しかし、この物体をUGN支部に放り込むだけの任務なのにこれ程の人数が居るのか」
「“マスターマインド”様のことだ、何かお考えがあるのだろう」

沙希:放り込む? というかあのアマは何を考えてる……。
GM:正確に言えば、送り届けるだね。UGNに。で、この直後に襲撃を受けます。ここでマスターシーンは終了です。

シーン6 目覚め   シーンプレイヤー:Free
 木見護の働きにより、FHエージェントが保護された。襲撃された際の生き残りであるからして、何かしらの情報は握っている筈である。何も知らなければそれは、捨て駒だったということになるが。

GM:さて、意識を失った重症患者ともう一名の負傷者が運び込まれてきました、《ディメンジョンゲート》で。
沙希:因みに私は面識無いよね?
GM:無い。
沙希:うちに連絡を寄越したんだっけ?
GM:そうだね。緊急時はここを頼りなさいと連絡先を聞いておりました。
沙希:あぁ、じゃあ多分リーダーと話したんだろうな。
GM:そんなわけで、お前は顔見知りではないね。
沙希:ふむ。ちょっと顔出してみようか。FHの人間だし。
GM:ならシーンインどうぞ。
沙希:えーい、7出た。今79。
GM:では彼ら二人は医療施設に運ばれて行きます。
沙希:さて……お前等が生き残りか?
GM:「貴様は誰だ?」
沙希:トツカを2本、突き立ててみる。
GM:「なるほど、貴様が“マスターギガント”という訳か」
沙希:まぁ、トツカ2本持ってる奴なんて他に居ないからな。
GM:だね。普通いねぇよ。「貴様が何故UGN支部に?」
沙希:諸事情があってね。ここで護衛の任務をしてる。
GM:「まぁ、それは構わん」
沙希:さて、一体何があったんだ? 分からないのか?
GM:「分からん。荷物を運んでいた所、襲撃を受けたとしか」
沙希:その何者かの情報が断片的にでも分かれば良いんだけど。
GM:「戦闘が行われた時、周囲が暗かったからな。あと相手の動きが速すぎて、私では目で追えなかった」
沙希:ほう。
GM:ちなみにこの方々は研究者向きの能力になってます。他の18人が頑張ってこの人達を逃がしたということです。
沙希:なるほどね。因みにその運んでいたという荷物はどうした?
GM:「我々はとある物資を非公式にUGNへと届ける任務を請け負っていた。こういう形にはなったが我々は任務を果たすことが出来た」
沙希:……ん? 果たされた?
GM:だってこいつらちゃんと荷物持ってたもん。木見君が連れてくる際に荷物はUGNに一緒に来てるよ。
沙希:あー、なるほど……その荷物ってのは私に話しても大丈夫な物なの?
GM:「特段話すなとも言われていない。だが私も詳細は知らん。中を見るなと言われていたしな」で、丁度人間の腕が収まりそうなサイズのケースを運ばされていたそうです。
沙希:あー、ちょっと露骨過ぎないですか(笑)。
GM:えー、だって想像はつくだろ?
沙希:はぁー……重いの?
GM:そこそこ重いね。何かちゃぷちゃぷいうから液体でも入ってるのかなと思ってたそうです。
沙希:……なるほど、分かった。
GM:そういえば吉塚はまだシーンインしてないよね?
博:してないよ。
GM:なら、そんな風に雨宮が会話をしていると、近くから何か爆発音というか、壁を破壊するような音が聞こえてきます。
沙希:壁を、破壊? ちょっと整理しよう。壁を破壊する音、このUGN支部で壁を破壊しそうな奴は山田しかいない。
博:いや他にもいるだろ(笑)。
GM:“一斉掃射”とかな。
沙希:いや、創のバカは銃声が聞こえる筈だろ?
GM:鳴上や南条は破壊って感じじゃないしな。
沙希:あいつら帰ってきてるの? まぁ、私は彼ら知らないし。うーん、嫌な予感がする。
GM:そして山田はここで犠牲になって頂く。
沙希:取り敢えず音のする方へ行きます。
GM:吉塚はどうする?
沙希:支部内にいるから気付くよね?
GM:うん、気付けるね。皆気付くよ。
博:ならシーンインします。俺は支部から出ようとする(笑)。
GM:お前元々どの辺に居たっけ? 副支部長と同じ部屋だよね?
博:そうだった……。
GM:当然報告の為に南条や鳴上は戻ってきてる訳で。鳴上が貴様の首根っこ掴んで連れて行きます。
沙希:おい、高校生になにやられてんだ(笑)。
GM:だってあいつこの支部で一番肉体派なんだけど。
沙希:うん、そうね(笑)。
博:うわぁあああ(引きずられていく)。
GM:「おい、貴様も早くこっちに来い」と。
博:いててててて分かった分かった行くから行くから行くから!
沙希:私も駆けつけよう。
GM:音が聞こえたのは、先程少女が横たわっていた病室ですね。
沙希:少女、は?
GM:居なくなっていて、床に大穴が空いてますね。
沙希:……確定かな。
博:山田は?
GM:山田? ぶっ飛ばされて意識を失ってますよ。
沙希:すぐにサヤカの元に向かう。
GM:サヤカは部屋も違うし別段問題は無いよ。ただ怯えてるかな。
沙希:サヤカ、大丈夫!?
GM:「姉さん!? 一体何があったんですか!?」
沙希:ちょっと、保護した少女が化け物だったみたい。
博:隣に居るぐるぐる巻きの“一斉掃射”はどうなってるんかな?
GM:もう解いてあったからね、音がした瞬間に「ヒャッハー!!」って突撃して行ったに決まってるじゃないか。「戦いの予感がするぜぇ!」って(笑)。
沙希:あいつ《戦いの予感》取得しても良いんじゃないかな?(笑)
GM:で、吉塚達が遅れて部屋に着くと、やはり大穴が空いてますね。
沙希:状況は変わらないな。
博:まさか……あの少女が“実験体”。
GM:「クソッ、何という事だ。こんなことなら、もっと支部の壁を強化しておくべきだった!」
沙希:ちょ、そっちか(笑)。
博:そこかよ!
GM:「取り敢えず肉体派の鳴上と、支援役として……おい、お前だ吉塚」
博:はぁ。
GM:因みに木見君は逃げてるから。《ディメンジョンゲート》使うから誰も追いつけねぇ。
沙希:多分学校まで逃げてるんだろうなぁ。
GM:まぁそれはともかく、「鳴上と吉塚は奴の空けた穴を追って行け」と副支部長指令です。南条さんは山田を介抱しますね。
博:うわぁ、あんなんと戦うの嫌だよー……。
沙希:うーん、私は正直サヤカの傍を離れたくない。支部内は危なそうだな。
GM:なら吉塚の方進めるよ。吉塚が“実験体”の空けた穴を追って進んでいくと……と言っても、縦に動いたり横に動いたりで支部が虫食い状態になってるけど(笑)。
沙希:ん!? あ、あぁそういうことね。腕を探し回ってるの?
GM:そう。
沙希:ちょっと、サヤカ連れて窓から飛び出るよ。
GM:了解。で、その破壊は先程保護されたFHエージェントが持っていた物資のある部屋まで続いています。そこに行くと、ケースを握りつぶして中に入っていた左腕を愛おしそうな目で眺めている少女の姿が。
博:眺めている?
GM:うん、まだ見てるだけ。
博:あの腕を付けたら、もっと大変なことになる!
GM:お前はその情報まだ知らないけどな。
博:まぁそんな予感がしたんだよ。
GM:それはおかしくはないかな。で、どうする?
博:阻止……したいけど面倒臭いなぁ。
沙希:こいつは金が絡んでないと本当……。
GM:動かないなら鳴上が突っ込んで行くけど?
博:こちらも動くか。銃撃するよ、腕を。マイナー、メジャー行けるの?
GM:どうぞ、お好きに。侵蝕率を上げるなら何しても良いよ。
博:よっしゃあ! まずは《ハンドレッドガンズ》かな。そして《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》。……で、他はどうしましょうかね。
沙希:ここは《うごめく弾丸》とかどうかな? 腕がオートアクションで何かしてくる可能性も無きにしも有らず。
GM:そうね、否定はしない。
博:そうね、重圧は良いかもね。《うごめく弾丸》。それにオートで《魔弾の悪魔》かね。達成値+10だ。これで侵蝕率は16上昇。それでもまだ71なんだな。ダイス12個で、コンセがレベル2だからC値8。行くぞ……達成値は48!
GM:当たるよ。リアクション放棄するので。
博:ダメージは、48点。
GM:48点か、結構きたね。
博:腕にね。
GM:良いよ、本体から引いとく。追加で重圧か。それで装甲無視?
博:うんうん。
GM:なら……了解。
沙希:便利だなぁ、吉塚さん。
GM:ではそんな吉塚さんに悲しいお知らせが。銃弾が少女の腕に突き刺さりますが、そのまま穴が塞がるんですよ。銃弾が当たって肉が飛び散るのですが、まるでビデオの逆再生のように一瞬で修復されるんですね。
博:……そんな能力を持っているのかチキショウ。いくら撃ち込んでも無意味じゃないか。
沙希:へぇ、面白いね。
GM:さて、そんな悍ましい再生の様相を目撃してしまった吉塚さんはSANチェックだ!
博:
やめぇ!(笑)
GM:冗談(笑)。
沙希:ふむ。銃声聞こえるよね?
GM:聞こえる。
沙希:創のバカ……? いや。
GM:因みに少女は銃弾が当たったことなど意に介さず、狂ったように笑っているよ。
沙希:その声も、私聞こえたりする?
GM:そんな大きな笑い声でも無いけど、支部穴だらけだし聞こえて良いよ。ハヌマーンでもあるし。
沙希:じゃあ……銃声が聞こえた後少女の笑い声が聞こえる。銃声と言えば創のバカだけど、銃声が一発だったし多分吉塚さん、かな? あと笑い声、この支部女性のエージェントとか居なかったよね……と思ってる。
GM:保護した少女位だね、支部で女性を見たのって。
沙希:うーん……ちょっと、困ったなぁ。
GM:思うままに動いて良いよ。最悪この街が滅ぶだけだから。
沙希:……サヤカが居るから、動き辛い。
GM:じゃあ、サヤカちゃんが「姉さん、私は大丈夫だから。気になるなら行って?」
沙希:いや、しかしそれは。
GM:だよねぇ、お前は性格的に。じゃあ「あはははははっ!」という狂ったような笑い声を聞いてるだけですかね。
沙希:うぐぅ。
GM:吉塚はどうする? もう一発撃ちこむ? 二回目以降は演出で良いけど。
博:もう一発撃ちこもうとするけど、とてもじゃないけどさっきの見たら無意味だということに気付く。
GM:なら吉塚の弾丸が無意味と悟った鳴上が向かって行ってアームブレードで切り掛かりますが、これも同じく再生。腕を切ったのですが、腕が肩から離れたと思った瞬間元に戻る。地に落ちるより速く。
博:うわぁ……。
GM:で、流石に鳴上が近くで剣をぶんぶん振り回してるのがうざいと思ったのか、少女は腕を握ったまま右腕を鳴上に叩き付けます。すると全身機械化で100キロはあるろうかという男が10メートル程吹き飛ばされて壁に激突します。
沙希:は!? ……今のって凄まじい音しますよね? というか、これ戦闘あってる場所って地下?
GM:上の階。
沙希:これはやばいかもしれないな……。
GM:「ここだと邪魔が多いかもしれないわね、ふふふ」と少女は笑い、鳴上が叩き付けられた壁と逆の壁を“素手”でぶち破って出ていきます。
博:勝てる気がしない。うあー、支部長が居ればああ!
沙希:ちなみに私は今UGN支部の入り口側にいるんだけど、どっち方向に逃げたんです?
GM:んー、そっちと逆側かな。
沙希:じゃあ分からないか。でかい音がしただけで。
GM:では副支部長が追いついてきて、「吉塚、鳴上、何があった!?」
博:あの、銃弾撃ち込んでも全然効かないんですけど。
沙希:それだと何の話かわからないぞ(笑)。
博:俺はダメージまだ受けてないんですが、鳴上さんがあんな感じで……。
GM:あ、君達鳴上の装甲値とHPは知ってるよね? ……一撃で無くなってます。
沙希:マジですか!? 異様に硬いのにあの人。
GM:装甲値20、HP100が一撃です。現在《リザレクト》中。
博:120点以上のダメージ出てるのか。
GM:腕を軽く振るっただけでね。
博:全力で戦ったら街が無くなるぞ……。
GM:まぁ演出ってのもあるからね(笑)。
沙希:まぁね。さて、こちらはしばらく外で様子を見ているが、激しい音の後何も聞こえなくなるだろ?
GM:だね。少女は高笑いをしながら街のどこかへ消えていきました。
沙希:じゃあサヤカを連れて支部内に戻る。そして現状を聞いてみる。
GM:まぁ今の状況になっていることを説明されますね。
沙希:はぁ……また厄介な。
GM:と言う訳でこのシーンは終了ですね。

シーン7 圧倒的脅威   シーンプレイヤー:Free
 破壊的な攻撃力、驚異的な再生力、そして何より、過去の実験で損なわれた理知的思考。
 つまるところ、あの少女は脅威でしかない。日常を破壊する災厄でしかない。倒してしまう以外に道は残されていない。
オーヴァード達は調査を始める。日常を守るために。

GM:次のシーンです。現状の状況確認とこれから取れる行動方針について説明します。
沙希:はーい。しかし、サヤカが居るから動きにくいなぁ私。
博:弟はどっか行ったんだよね?
沙希:創は……知らん(笑)。
GM:“一斉掃射”は少女が跳び去って行くのが見えたから「待ちやがれこのやろおおおぉ!!」とか言って銃弾ぶち込んだけど、それを意にも介さずいなくなったね。
沙希:それでもそのまま撃ち込み続けるんだろうなぁ、あのバカ。
GM:「野郎ぶっ殺してやらああああああ!!」とか言いながら追いかけようとするけど、そこを全力で南条さんに押さえつけられてます。
沙希:あいつ【肉体】1だし、押えつけようと思えば簡単だものね。
GM:じゃあ現状の確認しますね。鳴上総士:戦闘不能。山田玲仁:戦闘不能。動けるのは現在副支部長と南条位だな。
沙希:ふむ。
GM:あと一般職員は副支部長の指示の元、警察やら消防やらを誤魔化すために作業をしていますね。
沙希:はいはい……誤魔化しきれるかなぁ。
GM:《ワーディング》は展開中。木見を緊急招集してブラックダイヤモンドを使わせたら……一般職員が動けねぇよ(一同笑)。
沙希:《AWF》は持ってないのね。
GM:恐らく全員は無い。
沙希:でも木見君はこのシナリオ中は戻って来ない気がするね(笑)。
GM:うむ。で、今からできることは現在治療中のFHエージェントの尋問(拷問)。
博:拷問(笑)。
沙希:拷問ねぇ……。
博:副支部長と会った時点で拷問だと思うのは俺だけか?
GM:まぁ頼めばやってくれるよ。それと少女について改めて情報収集。
沙希:まぁ、別に拷問はこっちでやって良いけど。拷問と言うか、脅し。
GM:じゃあシーンインしてどうするか決めてー。
沙希:シーンイン……やった、1。80になった。
博:うわ、81まで上がった。
GM:ならまず副支部長の方針表明から入るよ。
沙希:うん。
GM:「FHのクソ共め、これだけの所業を受けてこのままにはしておけん。貴様等、逃げて行ったあの少女を捕えて抹殺するぞ」ブチ切れモードです。
沙希:あぁ……怖い。
GM:うん、普段の仮面が外れてますね。
博:いつも冷静なのに今回本気だなぁ。
GM:流石に切れてますよ。支部滅茶苦茶にされたから。ま、そういう訳ですね。
沙希:取り敢えず、敵の現状を調べられたりはできない?
GM:逃げてるからねぇ。追跡するならその判定がいるかな。
沙希:追跡する。
GM:追跡となると……〈知覚〉かな?
沙希:〈知覚〉か。ちょっと厳しいな。これは吉塚さんにやってもらおう。
GM:他には治療中に少女から収集したデータの分析と、未だ支部内に囚われている哀れなFHエージェントの尋問だね。
沙希:吉塚さん、ちょっと追跡の方をお願いします。
博:よし、何処に行ったかを調べてみるか。
沙希:それでこの支部に向かってこないようなら、サヤカを置いておいて処理をしたいと思うので。
博:〈知覚〉で逃げて行った痕跡を調べますよ。ダイスが14個か。
沙希:そういえば《パーフェクトコントロール》は使えるね。達成値+10できる。
博:行こうか。目標値は?
GM:これは不明だね。まぁ高ければ高いだけ良いと言っておこう。
博:じゃあ《パーフェクトコントロール》でHP5点消費して使います。侵蝕率は85。達成値は……うぅむ、回らない。達成値19。
GM:19か。じゃあ逃げて行った少女は痕跡を隠すつもりは無いのか、腕を入れてたケースに入っていた液体や足跡などが普通に見つかります。なので逃げた方向とかは推測が可能でした。
沙希:なるほど、支部から離れて行ってる感じ?
GM:ある程度ね。人気の少ない方向に向かって行ってる感じではある。
博:意外とそういうことは考えてるんだな。
沙希:それなら取り敢えずサヤカが襲われる心配は、現状無いかな? 腕にしか興味ないみたいだったらしいし。
GM:そうだね。
博:しかしそもそも、何で腕が。
沙希:そうか、吉塚さんはその手の情報知らないのか。まぁ言うつもりはないよこんな重要な情報はUGNに。
GM:じゃあ次、雨宮さんどうする?
沙希:そうね。そうだ、“一斉掃射”は南条さんが押さえてるんだよね?
GM:うん。
沙希:ちょっとロールプレイ挟もう。南条さん、でしたっけ? 創を押さえてておいて下さって、助かりました。
GM:「えぇ、南条理と言います。全く、こいつはいつもいつも私の胃を痛めるようなことを」
沙希:うちのバカが迷惑かけてるみたいで申し訳ありません(GM笑)。
GM:「あなたも大概苦労なさってるようですね……」何か、優しい目をして語ってくれるよ(笑)。
沙希:ちょっと、握手を(笑)。同じように《コンセントレイト》で情報収集する組で親睦を深めたい。
GM:そうだね、出会うのはこれが初めてだね(笑)。
沙希:この人は私と同じ匂いがする(笑)。
GM:南条さんはこの後“一斉掃射”をふんじばったまま、医療班の手伝いをしたりしてるよ。
沙希:さて、私もFHを拷問しに行くかぁ。
GM:お前、一応仲間だからね? 先に言っておくけど。
沙希:仲間意識は無いよ。
GM:無いだろうねー。
沙希:私が仲間だと思っているのは、うちのセルの“まともな”人員だけですよ。それにこいつらの所為でサヤカが危険に晒される羽目になった訳だし。
GM:うん、好きにして良いよ(笑)。
沙希:行く間際に創のバカを一発殴っておいて……【肉体】15の拳でね(笑)。
GM:それは酷い。じゃあ副支部長が「FHの奴らの尋問をしてくれるのか? なら任せてるよ、こちらも手が空かないものでね。殺さなければ何をやっても構わないよ」
沙希:(殺気を放ちながら)衝動:殺戮に無理は言わないで下さいよ。まぁ、それは冗談として、行きますか。こちらの素性はFHのお二方は知ってる通りなので……んー、交渉してみるか。あなた達、ちょっと“お話”をしませんか?
GM:「何だ? 我々は何も知らないと言ってるではないか!」
沙希:んー……脅しますか。
GM:脅しなら〈意志〉で判定で良いよ。説得なら〈交渉〉、拷問なら【肉体】。
沙希:脅しましょう。トツカを床に思い切り突き立てて……あんまり大きい音だすと副支部長に怒られちゃうかも。まぁ、勢いよく叩き付けて、切っ先が20センチくらい突き刺さる。
GM:あー、また副支部長がイライラしそうなことを。
沙希:あなた達、話してくれないとどうなるか……分かってるんでしょうね?
GM:「し、知らない! 俺達は何も知らないんだ!」
沙希:今ここで《物質合成》しても良いんですよ? “マスターギガント”の由来、見せてあげましょうか?
GM:じゃあダイスロールよろしく。結果によって情報渡します。
沙希:はーい。〈意志〉か、えっと……うーん、だめだなぁ13。
GM:13か。まぁロールプレイ良かったし+2の修正をあげよう。で、15か。結論から言いますと、この二人は本当に何も知りません。「“マスターマインド”の命令により、最終的に襲撃されると予測されていた研究施設から荷物を運びだし、このUGN支部に届けるように言われてただけだ」
沙希:何でUGN支部に届けたの?
GM:そこら辺は推察して?
沙希:……………………あのアマあああああぁああぁあ!!
GM:
色々想像つくとは思うけどね、色々。
沙希:取り敢えず、エージェント二人の頭上1センチくらいにトツカを投げつける。

“マスターマインド”の目的は、このUGN支部と最近手綱を握り切れない“マスターギガント”の抹殺だ。
UGN支部に“腕”を送り届け、実験体を誘導する。そこで雨宮沙希に連絡をし、UGN支部へと向かわせる。沙希は妹のサヤカを護ろうとする筈なので、間違いなく向かうだろう。
そこに実験体が襲撃し、UGN、沙希諸共に葬り去る……このような算段だった。だが今回、UGN支部に“腕”を運び込む前に実験体が襲来し、計画にズレが生じたのだった。

沙希:もう、あのアマは……凄いイライラするなぁ。ちょっともうあの上司はね、恩師ではあるんだけどもう駄目だ。完全に腐ってるよ早く処分した方が良いんじゃないかなぁ!
GM:公式で魂が腐ってるって言われてる人だしな。
沙希:もう良い。うちの上司が申し訳ない事をしたみたいで……二人には謝ります。そしてシナリオロイスの天船巴をタイタス化します。
GM:じゃあこれで終了かな。ではシーン終わる直前に、あなたに電話が掛かってきます。セルリーダーの羽溪悠次さんですね。
沙希:羽溪さんか。もしもし、リーダー?
GM:そんな訳で、羽溪さんとのシーンを次シーンにやりますか。

シーン8 突破口   シーンプレイヤー:雨宮沙希
 てめぇら、情報持ってんだろ? 実験体が暴れて困ってるんだ、手貸せ。……あ? 関係無いだろって? ははぁ、そうかい。大切な仲間が妹守るために駆けずり回って、UGNの奴らも恐らくは対策練ってるって時に、俺達は素知らぬ顔って訳かい。良い根性してるな本当。これだからFHはなぁ……死神に魅入られて一遍死んどけ。

沙希:シーンイン、3。よし、低い。リーダー、どうしましたか?
GM:「沙希、そちらはどうやら大変なことになってるようだな」
沙希:えぇ、UGN支部が穴ぼこになってますよ。
GM:「矢張りそうなったか……。こちらはこちらで今回の一件には疑問があったものでな、色々独自に調査してたんだが。で、つい今しがた件の研究所の奴らに話を聞いてきたところだ」
沙希:話をしてくれたんですか?
GM:「そこはあれだ、ちょいと脅した」
沙希:あぁ……《死神の瞳》でも使いました?
GM:「さぁて、どうだかな」で、お話の内容を聞く限り、さっきあなたが推測したようなことを計画していたことが分かりますね。
沙希:厄介ね……。
GM:「んで、一つ重要な情報を手に入れた」とデータが送られてきます。実験体に関する更なる詳しいデータです。
沙希:良く手に入りましたね。
GM:「俺のレネゲイドの知識舐めんなよ? そこの研究者さんの手厚い“ご協力”もあって、まぁまぁ良い情報が揃ったぜ。感謝してくれよ?」
沙希:はいはい、感謝感謝。
GM:セルリーダーの方で解析までしてくれたということで、要点だけ解説してくれます。あの“実験体”はほぼ不死身と言っていい再生能力を持っているらしい。Eロイス“不滅の妄執”ですね。
沙希:そうなりますか。
GM:基本的に肉体性能をほぼ極限まで極めたジャームらしいと。
沙希:ふむ。私と割と似たようなものなのね?
GM:方針としては似ているが、こちらは武器を使うつもりはないらしいね。で、厄介な能力がありまして、他者のレネゲイドを吸収し自分の力を増していくという特性があるようだ。
沙希:…………はい!?
GM:
言ったじゃん、死体も血液も何も残ってなかったって。
博:そういうことか!
沙希:あぁ……嫌だ、どうして“実験体”はこういうのばっかり!
GM:そういうもんだろ“実験体”って。
沙希:私も“実験体”だけどそういうことしないもの……。はぁ。
GM:で、今回の一件。こいつが逃げ出したのは本当に事故で、“マスターマインド”としても想定外だったのは確かなようだ。で、こいつの研究自体は進められていたので、奴に有効な物質を入手できたという。能力をある程度まで制限することができる薬品です。これが“不滅の妄執”の解除条件っすね。
沙希:その物質はちなみに……。
GM:「俺の部下に今届けさせる」
沙希:あぁ、もう出来てる訳ですね。
GM:元々はそれを利用して“マスターマインド”はUGN崩壊後に実験体を始末する予定でしたから。
沙希:また杜撰な……。
GM:彼女はこのUGN支部の戦力は存じているので、戦闘で弱ったところに精鋭部隊を派遣して、再生能力を無効化した上で諸共に殲滅すると。
沙希:なるほど……あー、もうっ!(トツカを壁に打ち付ける)
GM:ちなみにこの実験体、肉片レベルまで粉々になっても再生できるらしい。ただし脳に激しいダメージを受けた場合には、前後の記憶が曖昧になることがあるようです。
沙希:そういうことだったんですか。
GM:そう、だからあれはガチで記憶が無かったんだよ。再生直後だからね。
沙希:了解。その物質が届くのを待ちます。
GM:「安心しろ、今《ディメンジョンゲート》で近くにゲートを開いた。あと5分もすれば届くぜ」
沙希:支部前に出せばもっと早い気もしますが。
GM:「この騒ぎじゃ安易に近づけねぇよ」
沙希:まぁ、そうですね。物質が届くのを待ちます。このことは副支部長にも伝えるぞ? あんまり怪しまれてどうのこうの言われても嫌だし。
GM:了解。で、今から届くのは薬品で、武器に塗布して使う物です。塗布はオートアクションで良いよ。
沙希:有り難い。
GM:ただし使用回数制限は有り。量に限りがあるからね。で、これが無くてもダメージは通るけど、これ使わずに倒すと“不滅の妄執”により再生します。
沙希:なるほどね。じゃあ止めの時だけで良いのかな?
GM:止めの時だけで良い。効果は一ラウンドのみ。つまり吉塚が効果使って攻撃したら、お前もその効果を受けられる。ただし毎ラウンド使い直さないといけないね。使える量は三回分かな。
沙希:タイミングを見計らわないといけないね。
GM:で、この薬品の効果が出ている間は、素の再生能力もすべて無効化される。“不滅の妄執”だけじゃなくてね。
沙希:なら吉塚さんに使ってもらいましょう。私の武器に塗ったらいくら量があっても足りない(笑)。
GM:そんな感じかな。この薬品を使い切った時に実験体が死んでいなければゲームオーバーだ。大体与えられた情報はそんな感じだな。
沙希:了解しました。ありがとうございます、リーダー。
GM:「おうよ。あと追加で実験体の資料も送っておく。興味があれば見とけ」と言う訳で、シーン追加して情報収集すれば更に詳しいデータも分かります。
沙希:え、まだシーンやらないといけないの?
GM:吉塚に調べさせても良いけどね。
沙希:吉塚さんに調べられる訳ないじゃない……(吉塚の【精神】は1です)。
GM:まぁ調べなくても良いよ。使用するエフェクトとかEロイスの数とか分かるだけだから。あとHPとかステータスとか。
沙希:正直HPの情報は欲しいな。それだけは欲しいんだけど、使用技能は? もし〈情報:〉が使えるなら“フローズンリリー”の効果で吉塚さんに支援できるんだけど。
GM:〈知識:レネゲイド〉だが、〈情報:FH〉でも良いぞ。吉塚がやるなら難易度は少し上がるが。
沙希:本当? じゃあ吉塚さん、頼みます。
博:何をすればいい訳?
沙希:うちのリーダーからこの実験体についての情報が送られてきたんですけど、ちょっと何分私時間が無くて、解析を頼みます。
博:分かりました、まずはシーンインだな……6。
GM:吉塚がやるなら難易度16ね。
博:〈情報:FH〉とかねぇよ!
沙希:まぁ、頑張って。“フローズンリリー”の効果で達成値+5までは支援できるから。
博:ダイス4つで……8か。
沙希:なら+5で13だね。
博:財産ポイントを3追加するぞ。
GM:おぉ、じゃあ約束通りステータスやらHPの情報が分かったよ。侵蝕率は300%。装甲は無し、攻撃力は素手だから-5、ガード値も無し。
沙希:侵蝕率高いな……。
GM:行動値は3、【肉体】30、【感覚】1、【精神】1、【社会】1。〈白兵〉は20。
沙希:【肉体】30か……私の倍あるじゃない。
GM:HPは581しかないよ。
博:581だと? 俺の何倍あるんだよ……。
GM:で、《高速再生》10レベルを持ってます。
沙希:ということは毎ラウンド10回復?
GM:いや、これ[LV×10]回復。侵蝕率ボーナスもあるから130回復。
博:やべぇ。
GM:ただしこれは回数制限があります。3回ね。でさっきの吉塚の一撃で既に使っているのであと2回。
沙希:なるほど、あそこで削ってるのか。
博:撃って良かったわ。
沙希:良かったですね。しかし2回まで毎ラウンド130回復するのは避けられないな。
GM:さっき説明した薬品を使えば、その再生も止められるよ。
沙希:了解。しかし再生しないということは使用回数も減らない訳か。
GM:そうだね。最初から薬品使って3ラウンドで削り切る作戦で行くか、様子を見るか。あとEロイスは7個だよ。
沙希:でしょうね。
GM:あともう一つ情報が。《超人的弱点》を持ってます。
沙希:それ重要ですよ。
GM:軽減は無い、倍増だけ。装甲はないんだけれど、装甲無視攻撃を受けた場合ダメージが20点増加します。
沙希:なるほど。まぁ私も吉塚さんも《ペネトレイト》ないと攻撃できないし良いな。じゃあ行くかな?
GM:吉塚が大体の位置を特定してるから、行くならクライマックスになりますよ。あと欲しいものとかがあるならここで購入判定行っても良いぞ?
沙希:良いの? しかし防具は無意味さ極まりないからなぁ。
GM:トツカあるし防具で良いんじゃないの?
沙希:壁ぶち抜く相手に耐えられる気はしません。何か使えそうなアイテムは……そうだね、強化素材を買いたい。トツカを強化する。
GM:更にか、良いぞ。
沙希:ダイスが4つ……うん、〈調達〉8だし成功。トツカを強化します。これでこのトツカの攻撃力は“最強の一振り”の効果も合わせて22になった。
GM:アホか。あ、ちなみに副支部長はブチ切れモードなので南条さんを連れてついていくようですよ。
沙希:あ、そうですか。さて、クライマックス行く前にロイス取らせて?
GM:どうぞどうぞ。

沙希:ロイスは“ゼピュロス”と羽溪悠次と、あと“実験体”の少女に取ろうかな。
GM:南条さんに取らなくて良いの?
沙希:あぁ、それは重要だ(笑)。じゃあリーダーはあんまり絡んでなかったしそこを変える感じで。それで、“ゼピュロス”はタイタス化。
GM:あぁ、またっすか(笑)。吉塚はどうする?
博:適当で良いですかねぇ。ボスと副支部長と……あと誰にするかね。雨宮姉で良いかな。
GM:了解。じゃあクライマックス行くよ。

続きます。

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