クライマックスフェイズ 箱の中の戦略装置
ここには闘争があった。金を求めての闘争、命を護るための闘争、ただただ殺戮を繰り返す闘争。
素敵だ。最高だ。本質をさらけ出し、本能の赴くが侭に闘争を繰る舞台だ。
そして、奴らは来た。強者だ。力では無い。オーヴァードだからでもない。ただただ、生き残るために闘うモノだ。
――さぁ、始めようか。
素敵だ。最高だ。本質をさらけ出し、本能の赴くが侭に闘争を繰る舞台だ。
そして、奴らは来た。強者だ。力では無い。オーヴァードだからでもない。ただただ、生き残るために闘うモノだ。
――さぁ、始めようか。
零:トツカをバーンッってやって扉を破ります!
GM:ではシーンインをよろしく。
零:最後だ! 7か、最後まで高かったな。126です。
孝二:109か、まだいける。
風:うおう、まだ100いかない。あ、でも衝動判定あるか。
GM:では部屋の様子が分かります。部屋の向かい側には監視装置のモニターがあります。そしてその前に1人の男性が座っているのが分かります。
零:男性……。
GM:男は椅子をくるっと回転させてキミ達に向き直ります。キミ達を讃えるようにゆっくりと拍手をしながら。それは、キミ達が良くしっている人間ですね。
零:最初に爆発した?
孝二:春日?
風:霧谷?
GM:残念、彼は……“エレクトリカルスピードワゴン”だ。
一同:“エレクトリカルスピードワゴン”さーーん!!??
孝二:そ、そんな馬鹿な……。
風:し、信じていたのに……。
零:どうして……どうして!?
GM:「クク、勘違いしてもらっては困るな。私はゲームマスター等では無い」
零:ど、どういう事ですか……?
GM:「私はね、このゲームに参加するのが初めてではない、というだけの事だ」
孝二:なっ……。
GM:「簡単な事さ。私は以前このゲームに参加して生き残った。そしてこのゲームの魅力に憑りつかれてしまったのだ。それだけの話なのさ」
零:……あなたが今生きてここにいるという事は、あなたは禁止区域に入るアプリを持っていたんですね……。
GM:「あぁ、それは早々に見つけていてね」
零:じゃああの時は、私達を助けた訳じゃ、
GM:「無かった、のさ」
零:くっ……何て事でしょう……信じて、いたのに。
孝二:じゃあゲームマスターはどこにいる?
GM:「あの方はゲームが終わればいらっしゃるさ。それとキミ達は知りたいだろう? 実はね、この部屋には首輪の制御装置もある。それをオフにすれば、ゲーム終了時にも首輪は爆発することは無い。まぁ、そんな事をしなくても私の首輪はキミ達を殺せば外せるのだがね」
孝二:どうして、こんな事をするんですか。金が目的ですか。
GM:「そのようなものに興味は無い。私はこの極限状態に追い詰められた人間の狂気、暴走、逃走、闘争! それらを浴びるスリル! それを味わいたいだけなのだ!」ちなみに“エレクトリカルスピードワゴン”、衝動:闘争のジャームです。
風:これはジャーム化しているか……仕方ないな、と言ってギターを構えます。
零:あ、あなたは最初に「戦闘は得意ではない」と言ってませんでしたか!?
GM:「あぁ、良く憶えていたね。それは本当だとも。だが、別に私が戦う必要もあるまい?」と言って指を鳴らすと、周囲からメカメカしい戦闘機械が複数現れますね。
零:じゃあ最後に質問をします。あの、あの時! 私を護ってくれた影は、あなたじゃなかったんですかっ!?(一同笑)
GM:「何の事かな? 少なくとも私は知らないな」と言います。
零:くっ、じゃああれは一体……と言って“エレクトリカルスピードワゴン”のロイスをタイタス化します。
GM:さて、ここで“エレクトリカルスピードワゴン”は《ワーディング》を展開する。その凄まじい闘争の衝動に飲み込まれ、全員の闘争本能は引きずり出されるだろう。衝動判定です。〈意思〉で目標値9ね。
孝二&風:成功。
零:やば、失敗……! ガードできない!?
GM:侵蝕率も2D上げておいて下さい。更にはEロイス“悪意の伝染”、この戦場を封鎖します。では……戦闘を開始しましょう。
◆第一ラウンド
月音風 ……26
“エレクトリカルスピードワゴン” ……10
小型機械A(トループ)×2 ……10
小型機械B(トループ)×6 ……10
三好零 ……1 → 6
根岸章子(NPC) ……6
九塚孝二 ……4
GM:敵の配置を説明しましょう。中央奥にはエレクトリカルスピードワゴン”、その前に小型機械のトループが8つ。
零:すいません範囲攻撃無いんですけど。
GM:サイレン持ちがいるだろ。んで、トループは3トループで固まってるのが2つと、2トループで固まってるのが1つ、合計3つのエンゲージに分かれています。ではセットアップ、“エレクトリカルスピードワゴン”は《バトルフィールド》《支配者の瞳》を使用。この効果によりトループ達の攻撃力が30上昇、達成値が6増加。動かすと死ぬぜ?
風:うわぁ。俺は《スピードスター》を使用する。これで蹴散らさないとな。
孝二:《エターナルブレイズ》を使用。
GM:良いかな? あ、章子は《戦術》《ファンアウト》でダイス+4に戦闘移動をさせるよ。
風:取り敢えず仲間から離れておくか。
孝二:“エレクトリカルスピードワゴン”に向かって2メートルだけ近付く。
零:えっと、私は移動無しで。
GM:ではイニシアチブで“エレクトリカルスピードワゴン”が《加速する刻》を使用します。
零:やっぱりかー! あ、私はイニシアチブでトツカ捨てて良いですか? 【行動値】少しでも上げておきたい。
GM:あぁそれ位は良いよ。さて、メジャーで《覚醒の電光》《解放の雷》《強化の雷光》《狂戦士》《ポイズンフォッグ》《アウトブレイク》。
零:うああ、ガチ支援型か!
GM:おう、そう言ってるじゃないか。で、トループすべてのダイスを+9個、攻撃力固定値を更に6増加、C値を2下げます。さぁ、貴様等の番だ。
風:俺か。《マインドエンハンス》《主の右腕》《光の手》《マスビジョン》《サイレンの魔女》を使用。
GM:《マインドエンハンス》……こいつサイレンを回す気か!
風:光るピックでギターを鳴らすぜ! C値は9だから……達成値は21だな。
GM:トループはカバーリングできないしな、ダメージどうぞ。
風:ダメージは合計で72点! 装甲無視!
GM:ふむ、このままだと“エレクトリカルスピードワゴン”は死んでしまうな。《趙電磁バリア》を使用。ダメージを6D点軽減します、ラウンド1回が弱点だが。(ダイスを振る)えっと、34点軽減か、38点。それでも半分削られるか。
零:雑魚は?
GM:全滅。
風:良し!
GM:じゃあ次は“エレクトリカルスピードワゴン”だな。なら《ポイズンフォッグ》に《タブレット》を使用して射程を視界にした後、《覚醒の電光》《解放の雷》《強化の雷光》《狂戦士》を使用。
零:……ん? あ、《覚醒の電光》!?
GM:そう、蘇生だ。それを強いトループ、小型機械Aに使用。セットアップの支援は消えたけど、ダイス+9、攻撃+6、C値8になって復活します。そして【行動値】10で未行動なのでそのまま動きます。
孝二:ま、不味いですよ!?
零:HPはいくらなの?
GM:1だよ。安心しろ、HPは飾りだ。まず片方が風の方に《イオノクラフト》で移動。そして《ウルトラボンバー》を起動します。
風:……自爆か。
零:私のキャラ全然活躍できんなぁ。暴走してるし。
GM:達成値は15、まぁリアクション不可だし。ダメージは40点な。
風:“エレクトリカルスピードワゴン”のロイスをタイタス昇華、立ち上がる!
GM:ではトループ2体目が零のエンゲージに突撃するぞ。《ウルトラボンバー》だ。
零:GM、章子さんって倒れたらどうなる?
GM:死亡します。
零:……守るしかないか。
風:でもリアクション出来ないぞ。
零:リミットエフェクト《守護者の巨壁》に《道化の出し物》。攻撃対象を私一人に変更、更にそれを隠蔽。攻撃が何故か勝手に私の方に逸れていく。
GM:おぉ、やるね。良いよ。
零:いやー、《道化の出し物》便利。演出が自由自在だからね。あ、使う度に侵蝕率1上がるけど!(一同笑)
GM:演出にそこまで全力か(笑)。えっと、ダメージは40点だね。
零:う、うわあああああ!? “エレクトリカルスピードワゴン”のタイタスを昇華、一般人だけどボロボロになりながらなんとか生きてる。
GM:さて、章子と零が同速だがどうする?
零:私支援要らないから先に行動するね。マイナーで暴走解除、からのメジャー放棄。どうぞ。
GM:なら章子は《要の陣形》《導きの華》。全員達成値+6ね。
孝二:助かる。俺は《氷炎の剣》《地獄の氷炎》で剣を作り出す。剣の攻撃力は28! そしてメジャーで戦闘移動して“エレクトリカルスピードワゴン”にエンゲージ!
零:武器強いなぁ。
孝二:野郎ぶっ殺してやる!!
GM:終わりかな? じゃあ二ラウンド目行くぞ。
◆第二ラウンド
【行動値】
【行動値】
月音風 ……26
“エレクトリカルスピードワゴン” ……10
三好零 ……6
根岸章子(NPC) ……6
九塚孝二 ……4
GM:セットアップ、“エレクトリカルスピードワゴン”はEロイス“殺界現出”を使用。〈意思〉対抗だね。
零:効果は?
GM:暴走させるよ。更にラウンド中攻撃以外の判定のダイスが-3される。
零:あぁ!? ふざけてんのか!? ←ガードキャラです
GM:あっ、目標値低い。9だね。
孝二:9です、成功。
零:回った! 良かったぁ。
風:8、1足りない。
GM:まぁ風は攻撃しかしないし良いだろ。さて【行動値】順でどうぞ。
風:攻撃します。マイナーで《ライトスピード》。メジャーを2回行います。
GM:《導きの華》の達成値+6は1回目だけだから注意しろよ。
風:了解。1回目は《マインドエンハンス》《マスビジョン》《主の右腕》《光の手》《サイレンの魔女》で。これならC値は10だし回る……達成値は、25!
GM:《趙電磁バリア》を使おう。(ダイスを振る)ふむ、40点軽減だな。
風:ぐ、これは通るか? ……お、58点! 装甲無視!
GM:うおぅ!? 18点通るか……《電磁反応装甲》を1回使用してそのダメージを無効化しよう。
風:まだだ、《ライトスピード》によってもう一度攻撃します!
GM:むう、もう《趙電磁バリア》使えないんだよなぁ。《電磁反応装甲》にも限りがあるんだぞ。
風:同様のエフェクトで攻撃だ。
零:《マスビジョン》がこれで切れたな。
GM:それなら今後は耐えれるが、さてはて。
風:回った、達成値は23!
GM:むう、ダメージどうぞ。
風:ダメージ44点。
GM:まずはダーマルプレートの効果を使って1D点軽減。4点か。そして残ってる《電磁反応装甲》を使い切ってダメージは丁度0だ! さて次はこちらだな。先ほどと同様のエフェクトで、今度は小型機械Bを3体蘇生しよう。
零:うーん、厄介だなぁ。
GM:とはいえこいつら単体攻撃しかできないから……ダイス12個、C値10でアサルトライフルを使って攻撃。効果も使って達成値+5。3体がそれぞれキミ達を攻撃だ。達成値は一括で出すぞ、24だ。
零:侵蝕率やばいのいる?
風:158。
孝二:128。
GM:まぁロイスがまだまだあるし大丈夫じゃない?
零:確かに。なら私はガード。《氷盾》《道化の出し物》使用。ダメージは?
GM:ん、29点だな。
零:じゃあ9点通って死亡、章子へのロイスを切って復活する。
風:暴走してるしアウトだな。同じく復活。
孝二:回避失敗、復活します。
GM:更にここで《加速する刻》を使用。しっかし《ポイズンフォッグ》の残りがもうなくなるな……。
零:また蘇生させるのか?
GM:いやそろそろ危険だから奥の手を出してやろう。《雷の槍》《紫電一閃》《雷神の槌》《コンセントレイト:ブラックドッグ》。対象は……同一エンゲージには撃てないな。まぁ範囲だし零と章子に。C値6で……うえぇ、2個しか回らない? 達成値32だ。
零:《崩れずの群れ》《道化の出し物》でカバーリングします。見た目は勝手に攻撃が収束するんだけどね。徹底的にオーヴァードであることは隠すぞ!
GM:ダメージは……47点!
零:ガード。
GM:じゃあガード値分引いてから倍だね。
零:いやガードエフェクトも防具も無いから素で喰らうかな。
GM:あ、そうなの? じゃあ94点だが。
零:《原初の黒・鏡の盾》を使用します。
GM:…………ファッ!?
零:現在レベル5だから、97点を跳ね返します! あ、勿論《道化の出し物》は使ってるよ。勝手に軌道が変わっていくよ。
GM:え、え、えっと…………《アクアウィターエ》を使用。HP20で復活、の前に! 体内に埋め込まれていた《自爆装置》を起動!! エンゲージしているのは孝二だな。
零:マジか、爆発しおった。同一メインプロセス中な上に《自爆装置》はカバーできないぞ。
GM:ダメージは、43点。
孝二:ロイス切りますー。あぁもう絶対許さねぇ!!!
零:私も反射して倒れるのでゲームマスターのロイスを取得して切ります。勝手に攻撃が逸れてギリギリ生きてる演出で。
GM:“エレクトリカルスピードワゴン”も復活しているぞ。てか攻撃したら跳ね返って来て自爆するとは俺も思わんかったぞ。さて次零だけど。
零:放棄で。
GM:お、おう。じゃあ章子が同様に支援するぞ。達成値+6な。
孝二:で、俺? 《バリアクラッカー》使いの、《炎の刃》《アームズリンク》《コンセントレイト:ブラックドッグ》で! ダイス17個もあるぜ……達成値は41!
GM:あ、当たるよ。《イベイジョン》12だよ。
孝二:ダメージは、65点! 装甲ガード無視!
GM:それが最初にきたらヤバかったわー。死亡、からのEロイス“修羅の世界”。HP1で立ち上がるぞ。
風:しぶといな。
GM:「クク、これほど血湧き肉躍る闘いは久し振りだぞ!」
孝二:まだ立ちやがる!! 死ねよ!!
GM:このラウンドは終了ですね。
◆第三ラウンド
月音風 ……26
“エレクトリカルスピードワゴン” ……10
小型機械B(トループ)×3 ……10
三好零 ……6
根岸章子(NPC) ……6
九塚孝二 ……4
GM:一番速いのは風か。どうぞ。《趙電磁バリア》を抜ければ死ぬ。
零:《マスビジョン》無いからなぁ。
風:最後の《マインドエンハンス》を使用、《光の手》《主の右腕》《サイレンの魔女》で。
孝二:攻撃し過ぎて侵蝕率やばそうですね。
風:もう157だな。
零:追い付いてきたね、私158。
GM:お前行動してないのにそんな高いの?
零:すべての行動に《道化の出し物》合わせてるからね(一同笑)。
風:RPの弊害でか過ぎだろ(笑)。まぁともかく……お、回った。達成値は17!
GM:まぁ当たるけど?
風:ダメージは、26点。
GM:《趙電磁バリア》。6Dで26以上出せば死なない。……29!
風:通らないか。だが先ほど起こしていたトループは全滅だな。後は、頼んだぞ!
GM:その前に“エレクトリカルスピードワゴン”が動くんだけどね。
零:ここで挑発してみるか。ふふ、追い詰めましたよ“エレクトリカルスピードワゴン”さん! わ、私は何もしてないけど!(一同笑)
孝二:わぁ白々しい(笑)。
GM:どうしようかなー。まぁ散々暴れてたし風の方だろうな。《雷の槍》《コンセントレイト:ブラックドッグ》で。
零:これカバーしなくて良いよね? 止めは孝二さんに任せれば良いし。
GM:まぁもうこっちリソース無いしな。
零:わざわざカバーリングからの《原初の灰・反撃の旋風》なんてしなくて良いですよね?(一同笑)
GM:いやまぁ(笑)。達成値52だな。
風:暴走してるし回避無理!
GM:ダメージは45点。
風:倒れておきます。後は……任せたぞ……。
GM:もうこの時点で“エレクトリカルスピードワゴン”に勝ち目はないんだけどね。なんったて同一エンゲージへの攻撃手段も離脱手段も無いし(一同爆笑)。
零:じゃあその様子を見て、叫びましょう。章子さん! どうやらあの人の近くの方が安全みたいですよ! というわけで二人でエンゲージ!
GM:エンゲージ!? もう《自爆装置》も使い切ってるのに!(一同爆笑)
孝二:それじゃ止めを刺しますか。多分エフェクトなしでもいけるだろ。
GM:《イベイジョン》12あるから、ダイスで8以上出さないと当たらんけどね。
孝二:そうか、まぁなんにせよダメージを通せばいい! 《アームズリンク》《コンセトレイト:ブラックドッグ》で行くぞ! ……回ったな、達成値は27!
GM:当たりますね。
孝二:ダメージは、37点! 炎の剣で一閃! 死ねえええええ!!!
GM:ではそれにより“エレクトリカルスピードワゴン”は膝をつき、崩れ落ちます。
孝二:良い奴だと……良い奴だと信じてたのに……っ!!
零:本当に……本当に……あぁ。
クライマックス2 ゲームマスター
はっはっは、いやはや素晴らしい。あの男を倒してしまうとは。
燃え盛る剣持つ勇者よ、光り輝く音楽を奏でる奏者よ、緻密な戦術と可憐な華で示す指導者よ、そして偽装を施し殻に閉じこもる円環よ。
キミ達には褒美を与えよう。報酬を与えよう。そして讃えよう、キミ達の闘争を。
GM:では、クライマックス2に行きますか。
孝二:は!?
零:え、あ、いや余力はあるけど……。
GM:大丈夫戦闘は無いよ。あ、風はHP1で復活しといて。それでは最後のシーンインどうぞ。
孝二:うん、144になった。
風:厳しい、174だ。
零:はい最後も10でしたー。167です。
GM:本当に零は最後まで10ばかり出すなぁ。とは言え最後は簡単だ。この部屋には制御装置がある。それを切れば首輪は爆発しなくなります。〈情報:ウェブ〉か〈知識:機械工学〉で目標値は10です。
零:どっちも無いんだけど……。
GM:ただし、最後まで章子が生きていたので支援で+6されますよ。
孝二:なるほど。それならいけそうだ。あ、ブラックドッグは〈RC〉じゃ無理ですか?
GM:うーん、今回は精密作業だからね。無しで。
零:じゃあ私が〈知識:機械工学〉で行きます……達成値11! 成功!
GM:チッ、ファンブルして爆発すれば面白かったものを。さて、キミ達が解除に成功した所でモニターが切り替わります。
孝二:ファッ!?
GM:モニターの向こうにはやはり、ゆっくりと手を叩いてキミ達を称賛する男性の姿が。
零:や、やろうぶっころしてやるーっ!
孝二:迫力が足りない。
GM:「ふふ、皆様。ゲームクリアおめでとうございます」声は最初のゲームマスターさんですね。
零:もうタイタス化してるもん(GM笑)。
GM:「流石は私が見込んだ方々だ。このゲームをクリアするとは素晴らしい。これだから人間と言うのは素晴らしい」
零:ちょっと待ってそれ旦那の台詞!(一同笑)
GM:「では皆様方にはまた少々眠ってもらいましょうか。目が覚めた頃には元の場所に戻っているでしょう。では」と言い、男が指を鳴らすと視界が暗転していきます。
風:なっ!?
GM:――さて、皆さんが目を覚ますと、そこは見知らぬ場所。
零:あれっ!?
GM:とはいえ今度は天井は白。そしてベッドに寝かされているようです。
零:これは、皆一緒にいるの?
GM:同じ部屋にいるね。
孝二:また知らない天井だ(一同笑)。
風:何度目だよ(笑)。
GM:と、ここで看護婦がやってきます。「皆さん目を覚まされたんですね!」と。
零:そうですね、ここは一体?
GM:「ここは病院ですよ」
零:いやまぁ……。
GM:あなた方が元住んでいた場所の近くの病院ですね。
零:そして看護婦さんは言います。「今からあなた達には殺し合いをしてもらいます」(一同爆笑)
GM:そんな事はないです(笑)。「皆さん今まで自動車事故に遭われて意識を失っていたんですよ」と看護婦は言います。どうやらそういう事になっているようです。
零:そうですか……まぁ、良いです。私はゼノスに戻ります。
風:そうだな。俺も家に帰るか。
GM:では、戻ってから気付くでしょう。キミ達の銀行口座には約束通り5億円が振り込まれている事に。
一同:おお!
孝二:高校生なのに!
GM:形としては、キミ達は交通事故にあって入院したため、その慰謝料として振り込まれているようです。
零:いやいや慰謝料多すぎですって!
風:凄まじいな。
孝二:ゲームマスターぶっ殺したかった。
GM:まぁそれは次回があれば、ね。
零:今度はこちらが“エレクトリカルスピードワゴン”の役をやるのも良いですね(一同笑)。
GM:ジャーム化すれば成り得るな(笑)。さぁ、お楽しみのバックトラップに行こうか。
バックトラック
GM:今回のEロイスは8個ですね。今回はシーン数も多かったし多少はね。
孝二:(ダイスを振る)お、Eロイスだけで94になった。ロイス4個で25、69かー。
零:おしい、70切っちゃったか。
風:俺はー、135か。ロイス3個なんだよな……倍で、42、良いぞ! 93で戻った!
零:うん、Eロイスでは41減った。126。ロイス4つだし倍振りかな。……44減った、倍振って良かった。82で帰還ー。
GM:おぉ、良かった。良かった。これで今回のセッションは終了となります。お疲れ様でした。
一同:お疲れ様でした!
エンディング
九塚孝二と月音風は、共にUGNの支部へやってきていた。根岸章子も同様である。
「それで、キミ達はその、バトルロワイヤルに巻き込まれたと。いやはや信じ難いが……なぁ」
支部長――八坂紅綾が頭を掻きながら言った。三日間行方不明になった人員が突然交通事故に遭ったと報告され、その慰謝料にそれぞれ5億円だ。そして彼らは事故ではなく何かしらの陰謀に巻き込まれていたと言うのだ。
「いや本当なんですって! 俺等全員巻き込まれてたんスよ!」
「信じないとは言ってないさ。ただまぁ、これだけの大金をポンと出せるような何かが、UGNにも、それに話によればFHやゼノスも巻き込まれていたと言うじゃないか。そんな多方面に気付かれずにオーヴァードを攫える何ていう組織がいるとなれば、恐ろしくてね」
「まぁ、確かに。俺なら感覚が鋭いから敵の接近には気付けるだろうし」
八坂支部長は渋い顔をして報告書を眺めると、やがて溜息を吐いた。
「何にしても、お疲れ。想定外の事件で疲れたろう、しばらく休むと良い。勿論、この件に関しては臨時収入を出しておく」
「あ、そういえば5億は」
そわそわしながら九塚孝二は聞いた。5億である。一般人が思いつくような事なら何でも実現できるような額だ。高校生にとってこれは恐れ多い。尤も高校生でなくても、月音風や根岸章子にとっても非常に重いのだが。
八坂支部長は半ばからかうように言う。
「何だ、欲しいのか?」
「欲しいって言ったらくれるんですか?」
「馬鹿言え、やらんよ。金に関しては上に渡しとく。厳重保管だ。どっから流れて来たかも調べないといかんしな。ま、諦めろ」
「そりゃあ残念です。良いギターが買えたかもしれないのに」
「ギター買えるぐらいは出しといてやるって。あー、それと」
章子の方に顔を向けた支部長は、一呼吸置いてから、
「最近支部変わったんだっけ、キミ」
「は、はい」
「……例の?」
「えと、はい……。指導を受けて来いと」
ふむ、と思考するように会話が止む。意味が分からない九塚は、気になって支部長へ噛みついた。
「何ですかその例のって」
「ん、あぁ。そうかキミは新人だったな。例のとはまぁ、うん。魔境だよ、魔境」
立ち上がった支部長は、畏怖と恐怖を入り混じらせたような声色で、発した。
「化物共の棲む巣窟……と言えば良いものか。俺は一度そこの事務員と接触したが、恐ろしかった。勝てる気がしなかった」
「じ、事務員でそれですか!?」
「あぁ、そうだ。そうだな、折角だ。この事件の報告にキミ達全員で行って来い。何、きっと死にはしないさ、多分」
絶句する三人。笑う支部長。
これで事件が収束するとは、到底誰にも思えなかった。
ゼノスの支部へ戻った三好零は、今回の事件の大筋を報告した。多くの職員――大半はレネゲイドビーイングだが――は、零がそのような事件から生還した事に大変な驚きを見せていた。
「一般人なのに良くやるね」
「上手い事煽動してやったのか?」
等、質問攻めに遭っている。支部の内部は仕事も放りだして騒ぎ気味だ。
と、不意に周辺のレネゲイドが活性化した。その事に気付いたレネゲイドビーイング達は委縮し、身を低くする。自称一般人である零はその様子に遅れて気付き、慌てて彼等の真似をした。
部屋の中央には立体映像が現れていた。エンジェルハィロゥのエフェクトで示されたその影は、小柄な女性の姿を模っている。その姿を、誰もが知っていた。
“プランナー”都築京香だ。
彼女は真っ直ぐに零の方を見る。思わず零は会釈を返す。
「既に話は聞いていますよ。三好零さん」
「は、はい」
「そこで、一つあなたには頼まれて欲しい事があります」
頷く零。周囲の職員達は息を飲む。
一瞬の静寂の後、“プランナー”は言った。
「あなたにはとあるレネゲイドビーイングの元で仕事をしてもらいます」
「は、はい。異動という事ですか?」
「そうですね。巫女服のあなたにはきっとぴったりの職場でしょう」
零には意味が分からなかったが、多くの職員は勘付いたようでざわめく。
「あなたにはしばらく、緋桜神社に勤めてもらいます。あの周辺は様々な事が起こるでしょう……是非とも体験をし、そして認識して下さい。きっと役に立ちますので。誰にとっても」
「神社ですか……分かりました、頑張ります。あ、そういえば“プランナー”様。あの、私5億も今持ってるんですけどどうしたら……」
「きっと使う事があるでしょう。大切に持っておきなさい」
場の空気が凍った。それもその筈である。
“プランナー”が“きっと”と言うならば、それはほぼ間違いなく確定事項であるからだ。
そしてそんな事も露知らず、零はやる気に満ちた表情で、
「神社でお仕事かぁ。えへへ、頑張ります」
そして、魔境へと歩は進められた――。
……という事で、如何でしたでしょうか?
今回は色々新しい試みがありました。シーンを時間制限に見做して展開したシナリオ、《無面目》で一般人に偽装したプレイヤー、等々。
PCが全力全開でRPしていたので非常に良いものになったと自負しています。いやぁ、頑張った頑張った。
ちなみにこのリプレイではまともになってますが、実際のプレイ時には頭が爆発した最初の男が『やるお』、操られてた男が「やらないお」、根岸章子は「やる美」という超適当さでした。あ、“エレクトリカルスピードワゴン”はそのままでしたけどね。まぁそれも汚いKがその当時とあるTRPG動画にハマっていた影響なんで適当だったんですが。
エンディングは好き放題勝手に書かせて頂きました。本編にリンクする形で。なお登場した八坂支部長は別シナリオでの私のPCキャラです。これもいずれ書きたいとは思ってますー。
今回は色々新しい試みがありました。シーンを時間制限に見做して展開したシナリオ、《無面目》で一般人に偽装したプレイヤー、等々。
PCが全力全開でRPしていたので非常に良いものになったと自負しています。いやぁ、頑張った頑張った。
ちなみにこのリプレイではまともになってますが、実際のプレイ時には頭が爆発した最初の男が『やるお』、操られてた男が「やらないお」、根岸章子は「やる美」という超適当さでした。あ、“エレクトリカルスピードワゴン”はそのままでしたけどね。まぁそれも汚いKがその当時とあるTRPG動画にハマっていた影響なんで適当だったんですが。
エンディングは好き放題勝手に書かせて頂きました。本編にリンクする形で。なお登場した八坂支部長は別シナリオでの私のPCキャラです。これもいずれ書きたいとは思ってますー。
そんな訳で、読んで頂きありがとうございました。少しでも楽しんで貰えたのなら幸いです。
ではー。
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