ダブルクロスリプレイ外伝-量子Ⅱ- その2

ダブルクロス3rd TRPG
※これ以前の内容を読んでいない方は先にそちらを読むことをお勧めします。

オープニングフェイズ

シーン1 引き裂かれし日常  シーンプレイヤー:九塚孝二
 いつものように苛められていた。いつものように帰宅していた。いつものように――。
 ふとした違いに気付いてみれば、それは離別との引き金であった。影に埋もれていた人間は、そこで幕を閉じ、そして覚醒したのだ。

赤錆(以下GM):
行くぜ! まずは……ハチタバさん! PC名は……
ハチタバ(以下孝二):九塚孝二です。
GM:九塚さんね。君は高校生ですね。取り敢えず、イジメられっ子らしいが。
孝二:帰宅部で、イジメられてます。
GM:オッケー。じゃあシナリオの都合上キミの家はとある大学の近くにあって、帰り道にその近くを通ることにします。良いでしょうか?
孝二:大丈夫です。
GM:ではいつものようにキミは帰宅しています。今日もイジメられて財布がすっからかんになっていますが。
孝二:……辛いぜ。
GM:ここで突然、悲鳴のような声が聞こえます。
孝二:どこからですか?
GM:自分の進行方向。曲がり角を曲がった先かな。曲がらないと見えないね。悲鳴に関しては……野太い悲鳴ですね。
汚いK(以下キーガン):野太い悲鳴(笑)。
GM:「うおおぉぉぉお!! 助けてくれええええええ!!」
孝二:敢えて野太いのを選ぶとか……ダッシュで曲がり角を曲がります。
GM:お、行くのか。するとそこには二十歳ぐらいの男が、眼鏡を掛けてオールバックの男に連れ去られそうになっています。そしてその男はキミを見て、「チッ、《ワーディング》を忘れていたか!?」と(一同笑)。
寺生まれのR(以下風):何という間抜け(笑)。
GM:まぁ間抜けではなく、孝二が既にオーヴァードに覚醒しかかっているからなんだけどね。さて、男は腕を一瞬で巨大な獣のような形状に変化させます。
孝二:うわきもい。
GM:そしてそのままキミを引き裂かんとする。回避は……キミには当然できません。
孝二:咄嗟に逃げることもできない?
GM:良いよ。判定するけど、キミはまだオーヴァードじゃないです。能力は至って平凡……! まぁ、死んでください。死ねぇ!!
孝二:グワーッ!?
GM:と、いう訳で。お亡くなりになりました。
孝二:南無~。
GM:ではこのシーンは終了です。

シーン2 ユニバーサルガーディアンズネットワーク シーンプレイヤー:九塚孝二
 気が付けば純白。焼きついた死に様が赤く映える。何もかも失くし空っぽの身体に、異能が渦巻き燃え盛る。それを伝えるは神話の巨躯か、“リヴァイアサン”がそこに在った。

GM:さて、再び九塚のシーンです。キミはもう既に“覚醒”してしまっていますので、侵蝕率を上げて下さい。
孝二:(ダイスを振る)2上昇、36になりました。
GM:キミは目を覚まします。見たことのない場所ですね。天井は真っ白、病室のように見えますが、雰囲気が病院ではない感じですね。
孝二:ナースコール無いですか?
GM:無いですね。そして部屋には幾つもの監視カメラがあります。そしてしばらくして……折角邂逅のとこに選ばれてるから出しますか。UGN日本支部長、霧谷雄吾さんが部屋に入ってきます。「目が覚めましたか。体調はいかがですか?」
孝二:あ、はい。
GM:「キミに一体何があったのでしょう。憶えていますか?」
孝二:え?
GM:「キミは何故あのような場所に倒れていて、オーヴァードとして覚醒しているのでしょうね?」
孝二:すいません、後半よく分からないのですが……。オーヴァード?
GM:「超能力者、のようなものですね。何があったのか、教えて頂けませんか?」
孝二:……自分も良く分かんないんですが、変な男に襲われて。
GM:「なるほど、変な男。特徴などは?」
孝二:眼鏡でオールバックできもい腕をしてました。
GM:「……大凡把握しました」(一同笑)
風:早い(笑)。流石は業界の有名人。
GM:「その男は、“ディアボロス”春日恭二という男ですね。彼は何度死んでも蘇る悪魔のような男です」
孝二:悪魔ですかー。
GM:「おっと、自己紹介が遅れましたね。私、UGN日本支部長をしております、霧谷雄吾と申します」
孝二:その辺の高校生の九塚孝二です。
GM:「さて、キミは春日恭二に殺され、オーヴァードとして覚醒した。レネゲイドウィルスに感染し、生き返ってしまったようです」
孝二:はぁ……はぁ。
GM:「私達は、オーヴァードの事を世間から隠蔽しなければなりません。なので、あなたの身柄はしばらくこちらに拘束させて頂きます。よろしいでしょうか?」
孝二:拒否権は無いんですよね?
GM:「そうですね。ですが、あなたがレネゲイドについての知識を得て、それをコントロールできるようになれば、普通の生活……完全に戻るのは厳しいですが、元通りの生活ができます」
孝二:はい。
GM:「では、暫くの間はここで大人しくしておいて下さい。決して春日恭二に復讐しよう等と考えてはなりませんよ。良いですね?」
孝二:はい、分かりました。
風:絶対フラグだこれ。
GM:まぁ、ね。という事で、あなたのオープニングは終了ですね。

 

シーン3 波の乱れ  シーンプレイヤー:月音風
 ミュージシャンは奏でる。音を繰り、波を運ぶ。拡散する情報は人々へメッセージを届けるだろう。そして、彼は気付く筈だ。その波に異形が紛れ込んでいることに。

GM:
では次、月音風。
風:おう。シーンインは4。
GM:キミは……ストリートミュージシャンね。今何をしてるのかな。
風:ギターで演奏してるね。
GM:ハヌマーンの能力で遠方まで拡散させるんですね分かります。
風:一応スピーカー設置してるけど、電源が面倒くさいからそうですね。
GM:ではキミは路上でギターを弾いていますが、多くの人はちらっと見るだけで素通りしていきます。
風:まぁ人気でもないしそんな感じ。あ、ちなみに裏ではボカロPやってます。
GM:あっはい。まぁいつも通り演奏していると……ハヌマーン/エンジェルハィロゥなので【感覚】は高いよね。何やら奇妙な波長を察知します。
風:お? 波が乱れてるな。
GM:それは普通の波ではなく、何か特殊な加工を施されているような……簡単に言えば今の科学技術では実現できないようなモノが。
風:なるほど。つまりはレネゲイド関連だろうな。
GM:で、これは判定無しに分かるんだが、明らかに大学の方から飛んできています。
キーガン:近くの大学か。
GM:具体的に言えば近くの大学の理学部の方から飛んできています(一同笑)。
風:うーん、気になるな。そういえば最近、あの大学に胡散臭い海外留学生が来てるって噂だが……。
GM:え、噂なの!?(キーガンの方を見ながら)
キーガン:何のことだい?
風:ボカロPやってるとネット掲示板で情報入るんだよね。何か関係してそうだし行ってみるか。
GM:オッケー。その不用意な探究心が仇にならなければ良いな。これで終了ですね。

 

シーン4 コズミックホラー  シーンプレイヤー:キーガン=ウィルソン
 我々は解明せねばならない。大宇宙に潜む神格を。彼らに遭遇し、接触し、恩恵を授からなければならない。その為に我々、宇宙友愛協会は存在しているのだ。さぁ、同志よ。我の元へ集え。

キーガン:さぁ、ワタシダ。
GM:止めてくれ(笑)。シーンインどうぞ。
キーガン:(ダイスを振る)よぉっし! 10を引いたぜ。
GM:大丈夫か?
キーガン:序盤から加速していくスタイルだぜ。
GM:お、おう。キミは宇宙友愛協会だったね?
キーガン:その通り。ミスカトニック大学からの留学生として今この大学に通っている。
GM:うん。それでキミは同志に会いたいよね?
キーガン:そうだな、この大学にも我々宇宙友愛協会の同志がいると聞いている。ならば会わねばなるまい。彼がいるからこそ、私はこの大学に留学しに来たと言っても過言では無い。
GM:キャラ濃いわー……。えっと、それなんですが。その彼がいません。
キーガン:なん……だと……?
GM:どこを探してもいない、連絡しても通じない。
キーガン:彼に何があったのか……まさか! これもレネゲイド星人の仕業だと言うのか!?
GM:はい、じゃあこれはフレーバーですが調査して下さいな。〈知識:レネゲイド〉で良いよ。
キーガン:やべぇ持ってねぇ。まぁ【精神】高いから良いか、7つ振るぞー。……回ってないな、7だ。
GM:まぁ良かろう。不審に思って調べると、何と彼が“レネゲイド星人”によって連れ去られたのではないかと推定できます。痕跡があるようです。
キーガン:何だと……まさかこれはレネゲイド星人の!? ついに見つけたぞ。
GM:で、その場所は現在立ち入り禁止になってます。場所は、大学付近の公道ですね。
キーガン:ほう。これは入っていくしかなかろう。
GM:入るの?
キーガン:当たり前だろう。《ワーディング》を使って気付かれないように入るぞ。
GM:その場所を調べると、どうやら彼はこの場で消えたようです。
キーガン:何と……ここにレネゲイド星人の残滓を感じる。まさか、アブダクションか!
GM:そうですね、キミの言うレネゲイド星人とやらがその同志を攫って行ったようです。そう、“野太い声”の友人を攫っていったようなんですよ(一同笑)。
キーガン:何と羨ましい……この痕跡を辿れば、私も遂にレネゲイド星人と会いまみえる事ができるということか!
GM:と、いうことで調査を開始した。
風:――手記はここで途切れている。
キーガン:その後彼がどうなったのか知る者はいない。
GM:終わったぁ!? ま、まぁここでシーン切ります。

続く。

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