知里弥生の無気力日和 小説:胡蝶の夢 人を好きになるとは、とても簡単だ。「――ふぅ」 黒髪の女性は、陶磁器のような黒い腕で頬を撫でた。血の通わない無機質な感触が、暑いこの日は心地よい。 兎に角、胸が痛いようだ。痛いらしい。曖昧。 思いついたようにすっくと立ち上がり、投げ捨て気... 2018.07.14 知里弥生の無気力日和
その他 鉄鼠の檻 どうも、赤錆です。 買いました買いました。 鉄鼠の檻愛蔵版! うへへぇ、いやー嬉しい。欲しかったんですよ。 鉄鼠の檻、私が京極夏彦さんの作品で初めて読んだやつなんですよね。中学の時に友人から借りて。そういえばその... 2018.01.27 その他
知里弥生の無気力日和 小説:善と悪 「善と悪ってなにかしらね」 薄暗い空間で緑茶を冷ましていた巫女――霧崎沙娜は、ぽつりとそう呟いた。 「なんじゃ、下らぬ事を考えるのぅ」 「下らなくないわよ。人間にとっては重要じゃない?」 無彩色の巫女――三好零は呵々と嗤う。そう... 2017.02.23 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:鍋 ※この小説はフィクションです。 非常に重大な事態になった。四人の人間が机を囲んで各々表情を歪めている。「……どうしてこうなったのよ」「いや、うん。何かごめん」「うあー、どうしようどうしよう!? このままじゃいかんとですよー!?」「カカッ、こ... 2017.01.09 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:ニドヘグ ※この小説はフィクションです。 霧崎神社という、由緒正しき神社がある。 K大学の付近にある神社だ。代々霧崎家が管理するその土地に、ぽつんと建てられた小さな神社である。 きちんとした神社であるので、勿論施設は一通... 2016.08.29 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:鈍感 黒無陣矢は、自らの置かれている状況を把握できていない。 そもそも、自分が今どうなっていて、どのように思われていて、どのように行動するべきか、それを理解している人間が果たしてどれほど存在するのだろうか。 少なくとも、ただ日常を漠然... 2016.04.29 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:檻 ふと、独りで考え事をしたい時がある。 ふらりと研究室を抜け出し、外へ。新月の夜は暗く、蜘蛛の巣の掛かった明かりが薄暗く辺りを照らしている。 静寂だ。 この深夜、大学に居る者は殆ど居ない。人の気が無い。それはある意味で非日常をひしひしと... 2016.04.26 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:古本屋 ※この小説はフィクションです。 大きな竹林がある。 K大学の周辺である。これでもかと言うぐらい広大な竹林があるのだ。青々とした竹は天高く伸び、風に揺れてざわざわと騒ぎ立てる。 竹林の中は不明瞭であった。 こういった場所には噂話が... 2016.04.25 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:雑談 ※この話はフィクションです。 二人の男が、大学キャンパス内のベンチに座って喋っている。 「なぁ、おい。お前好きな人いるか?」 「何だよ藪から棒に」 「いや、単純に気になっただけで」 「そういうお前はどうなんだ。言い出しっぺがま... 2016.04.25 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:弾けて ※この小説はノンフィクションです。 深夜。ぼんやりとした靄のような光が昏い空に浮かび、昏いのか昏くないのかが非常に曖昧だ。逢魔が時をそのまま丑の刻まで持ってきたような、そんな印象。 「……全く」 周囲は田園だ。そうでなければ牛舎だ... 2016.04.10 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:四月馬鹿 ※最早エイプリルフールは過ぎてますが、4月1日は忙しかった上に自宅にネットがなかったので。あと学会要旨詰まったから気分転換に書いただけなので適当です。 ※この小説はフィクションです。 四月一日である。今年度も終わり、明日からは新しい... 2015.04.15 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:梱包 ※この小説は一部ノンフィクションです。一部ね。 ※この小説は実話:妄想=3:7くらいで構成されます。 延々と同じ体勢で、身体が凝り固まってしまっているようだ。しゃがみ込むような状態で物品を緩衝材で包み、養生テープで留めて内容を書き記す... 2015.01.29 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:来訪者 ※この小説は一部ノンフィクションです。一部ね。 ※この小説は基本的に実話:妄想=1:9くらいで構成されます。 ※この小説は今後不定期に掲載しようと思います。 耳を澄ませば、しとしとと雨の降る音が聞こえてくる。少し湿気が多いが、... 2014.11.17 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:ひとり ※この小説は一部ノンフィクションです。一部ね。 ※この小説は基本的に実話:妄想=5:5くらいで構成されます。 ※この小説は今後不定期に掲載しようと思います。 ひとりだ。孤独の“独”と書いて“独り”である。周囲は基本的に静かで、... 2014.11.10 知里弥生の無気力日和
知里弥生の無気力日和 小説:不運 ※この小説は一部ノンフィクションです。一部ね。今回はほぼノンフィクションですが。 ※この小説は基本的に実話:妄想=7:3くらいで構成されます。 ※この小説は今後不定期に掲載しようと思います。 今日は、機嫌が良い。稼働しているロ... 2014.11.08 知里弥生の無気力日和